鴆毒(読み)チンドク

デジタル大辞泉 「鴆毒」の意味・読み・例文・類語

ちん‐どく【×鴆毒/×酖毒】

ちんという鳥の羽にある猛毒。転じて、猛毒。毒物
「面に慈愛てらいて腹に―を抱き」〈東海散士佳人之奇遇

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精選版 日本国語大辞典 「鴆毒」の意味・読み・例文・類語

ちん‐どく【鴆毒】

〘名〙
① 中国南方の山中にすむ鴆(ちん)という鳥の羽にある猛毒。甘く美味であり、鴆の羽をひたした酒はよく人を殺すといわれる。鴆。
※将門記(940頃か)「偏に鴆毒(チムどく)の甘きに随ひて喜悦極りなし」
② ①のような猛毒。また、毒物の総称
※仮名草子・童蒙先習(1612)一「薬毒之異〈略〉義をうとんじ、利を貴び、安居を求る宰相有司は〈略〉国賊也、政蠹也。鴆毒此外になし。夫惟、近世之国主鴆毒(チンドク)を服せぬやはある」 〔後漢書‐単超伝〕

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普及版 字通 「鴆毒」の読み・字形・画数・意味

【鴆毒】ちんどく

鴆の毒。害毒のたとえ。〔左伝、閔元年〕管仲、齊侯に言ひて曰く、戎狄豺狼なり。厭(あ)かしむべからず。~宴安毒なり。懷ふべからず。

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