痔裂(読み)じれつ

百科事典マイペディア 「痔裂」の意味・わかりやすい解説

痔裂【じれつ】

俗にきれ痔(じ),また肛門裂創,裂肛ともいう。肛門部の粘膜が裂け難治性の潰瘍(かいよう)をつくりやすい。多くは肛門の背側の縦に狭い線状の潰瘍で,排便時疼痛(とうつう)・出血が主症状。局所感染肛門括約筋痙攣(けいれん)が要因の一つと考えられている。軽度のものでは,緩下薬,整腸薬を用いて便通を調節し,洗浄による創傷の清潔化,座薬挿入などでなおる。難治のものは手術により治癒(ちゆ)させる。
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世界大百科事典(旧版)内の痔裂の言及

【痔】より

…西洋では,フランスの聖フィアクルSaint Fiacreが諸病とくに痔の守護聖人として有名で,ルイ14世も治癒祈願をしたといわれる。 痔には俗にいういぼ痔(痔核)hemorrhoids,piles,きれ痔(痔裂,裂肛)anal fissure,あな痔(痔瘻(じろう))anal fistulaなどが含まれるが,医学上これらはまったく別個の疾患である。また狭義には痔は痔核の同意語として用いられることが多いので,ここでは痔核について記述し,他の二つはそれぞれの項目にゆずる。…

※「痔裂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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