カルクアルカリ岩(読み)カルクアルカリがん(英語表記)calc-alkali rocks

岩石学辞典 「カルクアルカリ岩」の解説

カルクアルカリ岩

イディングスは1892年に火成岩アルカリ(alkali)グループとサブアルカリ(subalkali)グループに区分することを提案し,後者はその後のカルク・アルカリ(calc-alkali)グループとして知られるグループになった[Iddings : 1892].これは後にピーコックアルカリ石灰指数(alkali-lime index)によって分類し,火成岩の化学的な四つのクラスの一つとなった[Peacock : 1931].カルク・アルカリ岩の語は現在の一般的な感覚ではアルカリ(alkaline)でない岩石の記述に用いられているが,これらの岩石はアルカリ石灰指数が56と61の間の岩石の記載に制限されるべきである.このグループの岩石の主成分は長石,角閃石またはオージャイトである.准長石,Na角閃石,Na輝石などのアルカリ鉱物は欠如している.このグループには花崗閃緑岩,閃長岩,閃緑岩,斑糲岩とそれらに対応する噴出岩が含まれる.スピライトや大部分の橄欖岩はアルカリ岩に含まれない.

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百科事典マイペディア 「カルクアルカリ岩」の意味・わかりやすい解説

カルクアルカリ岩【カルクアルカリがん】

石灰アルカリ岩とも。石灰CaOを多く含みアルカリに乏しくケイ酸SiO2に富む火成岩。アルカリの多い有色鉱物準長石を含まない。玄武岩安山岩流紋岩およびその深成岩相をカルクアルカリ岩系という。アルカリ岩に比しはるかに普通で多量に産する。
→関連項目アルカリ岩ソレイアイト

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