ガブーンバイパー(読み)がぶーんばいぱー(英語表記)gaboon viper

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガブーンバイパー」の意味・わかりやすい解説

ガブーンバイパー
がぶーんばいぱー
gaboon viper
[学] Bitis gabonica

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目クサリヘビ科のヘビ。色彩斑紋(はんもん)が世界のヘビでもっとも美しいものの一つとされる毒ヘビ。アフリカの西部、中部および東部熱帯降雨林に分布する。最大のクサリヘビで、全長1.8メートルに達し、胴が太く尾が短い。頭部は三角形で幅広く、目が小さくて瞳孔(どうこう)は縦長である。体背面には美しい幾何模様が並び、これがブッシュ(茂み)では巧みなカムフラージュとなっている。毒牙(どくが)(管牙)は最大5センチメートルもあり、毒性も強くて出血毒とともに多量の神経毒をも含む。危険な動物であるが動作は鈍く、体を伸ばしたままイモムシ式前進運動を行う。小動物を捕食する。卵胎生で20~60匹の子ヘビを産む。亜種のツノガブーンバイパーB. g. rhinocerosの吻部(ふんぶ)には1対(つい)の角(つの)状突起がある。

[松井孝爾]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガブーンバイパー」の意味・わかりやすい解説

ガブーンバイパー
Bitis gabonica; Gaboon viper

トカゲ目クサリヘビ科。体長 1.8mに達する大型のクサリヘビ。胴が太短く,尾も非常に短く,頭部は巨大で吻端に突き出た鱗があり,毒牙はきわめて長い。体色は褐色ないし黒褐色基調にしているが,鮮かな幾何学模様をそなえている。この色とりどりの模様は,森林の落ち葉の色とうまく溶け合って,すばらしい迷彩になる。卵胎生。熱帯アフリカに分布する。

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