サン・マルコ広場(読み)サン・マルコひろば(英語表記)Piazza San Marco

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サン・マルコ広場」の意味・わかりやすい解説

サン・マルコ広場
サン・マルコひろば
Piazza San Marco

イタリア,ベネチアの中心部にある広場カナル・グランデ (大運河) の末端に位置し,中世からルネサンスにかけて整備された美しい構成をもつ広場として名高い。全体にL字型をなし,旧政庁にはさまれた部分と,直角方向に水辺に向って延びるピアツェッタ (小広場) から成る。広場の歴史は9世紀頃に始るが,サン・マルコ大聖堂が建ち,現在の原形ができたのは 12世紀末。その後ベネチアの表玄関として,パラッツォ・ドゥカーレ造幣局,図書館などが建築された。 1897年にはナポレオン1世が西側の聖ゼメニアーノ聖堂を除去,舞踏会用の大広間のある棟を造り,連続した棟が三方を閉じる現在の構成となった。中央の鐘塔は 16世紀の建造で 20世紀初頭に崩壊したが,復元されてエレベータが取付けられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サン・マルコ広場」の意味・わかりやすい解説

サン・マルコ広場
さんまるこひろば
Piazza San Marco

イタリア北東部、ベネチア市南端にあるサン・マルコ大聖堂前の広場。奥行175メートル、東側81メートル、西側57メートル。大理石と粗い肌の石が調和をとって敷き詰められている。広場の中央には高さ99メートルの大鐘塔があり、サン・マルコ大聖堂左には2人のムーア人が鐘をつく15世紀末建造の青銅製の時計塔がある。また広場をコの字形に囲むように、ベネチア共和国総督の館(やかた)で裁判所が置かれたパラッツォ・ドゥカーレ、コッレール博物館がある。

[藤澤房俊]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android