スオウ(蘇芳)(読み)スオウ

百科事典マイペディア 「スオウ(蘇芳)」の意味・わかりやすい解説

スオウ(蘇芳)【スオウ】

東南アジアインドなどに栽培されるマメ科の小高木。全体にジャケツイバラに似,葉は2回羽状複葉,黄色の花をつける。材質はかたい。深赤色のブラジリンという色素がとれ,以前は綿織物毛織物染色や赤インキとして用いられた。日本には古代中国からもたらされ,日蘭貿易では蘇木として盛んに取引された。
→関連項目草木染染料作物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スオウ(蘇芳)」の意味・わかりやすい解説

スオウ(蘇芳)
スオウ
Caesalpinia sappan; sappan wood

マメ科の小低木で,インド,マレー地方原産。東アジアの熱帯各地に栽培される。日本の山野に生えるジャケツイバラと同属で全体の形も似ている。偶数2回羽状の複葉を互生し,小葉はややいびつな形をしている。花は円錐花序をなし,黄色の5弁花を横向きにつける。心材はブラジレインと呼ばれる色素を含み,暗赤色で古くから染料に用いられ,日本では飛鳥・天平時代の重要な赤色染料であったが,色がさめやすいので現在では織物の染色には用いられない。

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