マッコルラン(読み)まっこるらん(英語表記)Pierre Mac Orlan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マッコルラン」の意味・わかりやすい解説

マッコルラン
Mac Orlan, Pierre

[生]1882
[没]1970
フランスの小説家。本名 Dumarchey。 1910年代,パリのモンマルトル,カルチエ・ラタンに集った一群の若い作家,芸術家の代表者の一人。主著に『船員の歌』 Le Chant de l'équipage (1918),『女騎士エルザ』 La Cavalière Elsa (21),『国際的ビーナス』 La Vénus internationale (23),『霧の波止場』 Le Quai des brumes (27) 。アカデミー・ゴンクール会員。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マッコルラン」の意味・わかりやすい解説

マッコルラン
まっこるらん
Pierre Mac Orlan
(1882―1970)

フランスの小説家。ペローヌに生まれる。貧困の青春なかで文学習作を続け、1910年代モンマルトルの前衛芸術家たちと親交。『船乗りの歌』(1918)で世に出、『女騎士エルザ』(1921)、『霧の波止場』(1927)、『地の果てを行く』La Bandera(1931)などで、社会の枠のはみだし者の孤独と不安、そしてあこがれを、近代的叙情筆致をもって描いた。その作品はカルネデュビビエなどの映画の原作としても、30年代フランス映画の詩的レアリスムに影響を与えた。

小林 茂]

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