リゾーム(その他表記)〈フランス〉rhizome

デジタル大辞泉 「リゾーム」の意味・読み・例文・類語

リゾーム(〈フランス〉rhizome)

根茎。茎でありながら一見根のように見えるものの総称。竹・シダなどに見られる。
現代思想で、相互に関係のない異質なものが、階層的な上下関係ではなく、横断的な横の関係で結びつくさまを表す概念。幹・枝・葉といった秩序、階層的なものを象徴する樹木ツリー)に対していう。フランスの哲学者ドゥルーズと精神科医ガタリ共著「千のプラトー」で展開した概念。

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精選版 日本国語大辞典 「リゾーム」の意味・読み・例文・類語

リゾーム

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] rhizome ) 茎でありながら一見根のように見えるものの総称。タケ、シダなどに見られる。根茎。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リゾーム」の意味・わかりやすい解説

リゾーム
rhizome

G.ドゥルーズは,「永遠に同一的な」有機組織の典型をツリー tree (樹木) ,「生成する異質性」のモデルをリゾーム (根茎) と呼び,人間の思考国家などの社会組織の持つ,超越的「一者」=幹を中心とし,原則的に二項対立で進行するツリーを批判し,中心を持たず異質な線が交錯し合い,多様な流れが方向を変えて延びていく網状組織のリゾームの復権を呼びかけた。こうして伝統的形而 (けいじ) 上学の認識論の問題を,人間の欲望への問題へと置き換え,客観的な認識という理想を捨てて,むしろ,社会の中における人間の欲望や現実意識の質を問おうとした。

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