がたり(読み)ガタリ

デジタル大辞泉 「がたり」の意味・読み・例文・類語

がたり

[副]
堅くて重い物がぶつかって立てる音を表す語。「戸をがたりと開ける」
急に動いたり落ちたりするさま。「電気の消費量ががたりと減る」
[類語]ちゃらちゃらちゃりんじゃらじゃらちりんちりんがちゃがちゃかちゃかちゃかたりかたんがたんかたかたがたがたかたことがたごとことことごとごとことりごとりことんごとんこんこんこんごんごんがつんこつんごつんかちゃかちゃかちりかちかちこつこつどんとんとんとんどんどんかちゃりがちゃりかちゃんがちゃんかちんがちんからからがらがらがらりかんかんがんがんどたどたどかどかどっとどすどすどしどしばんばんぽんぽんどてんどたんどたりすとんずどんずしんずしりどすんどさりどしりどかんどしんばあんぱあんぱたりばたりばたんぼおんぽおんぽんとぽんぽこぼこぼこぽこぽこぽくぽくちんちんやかましいうるさい騒騒しい騒がしいかまびすしいかしましいにぎやか騒然喧騒喧喧囂囂けたたましい

ガタリ(Félix Guattari)

[1930~1992]フランスの精神医学者・思想家精神分析の手法を用いて現代文明批判を展開し、ポスト構造主義先駆者一人となった。ドゥルーズとともに既存の階層的体系を批判し、より横断的・流動的なリゾームノマド概念を提示した。著「分子革命」、ドゥルーズとの共著「アンチ‐オイディプス」「千のプラトー」など。

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精選版 日本国語大辞典 「がたり」の意味・読み・例文・類語

がたり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 重い物がぶつかってたてる音を表わす語。「かたり」よりやや大きく、さわがしい音にいう。
    1. [初出の実例]「先つ右足を入れば、左足がほうだてにがたりとあたらうぞ」(出典:百丈清規抄(1462)五)
  3. 物が急に動いたり、落ちたり、変化したりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「刎飛ばされたやうに、がたりと退(すさ)る」(出典婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
    2. 「がたりと調子の変った地味な森になる」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一七)

ガタリ

  1. ( Félix Guattari フェリックス━ ) フランスの精神医学者、思想家。精神病院での実践的な活動などを通して、ロゴス中心とする伝統的な西洋思想と現代文明を批判した。主著に「分子革命」、哲学者ドゥルーズとの共著に「アンチ‐オイディプス」「千のプラトー」など。(一九三〇‐九二

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「がたり」の意味・わかりやすい解説

ガタリ
がたり
Félix Guattari
(1931―1992)

フランスの哲学者。パリ大学を卒業。精神科の医者としてラボルドに病院を開設し、精神分析による診療を続けながら、同時に哲学関係の著作を数多く発表した。とくに1972年、ドルーズとの共著『資本主義と精神病』の第1巻『アンチ・オイディプス』で注目を集めた。社会主義と資本主義という二つの異なった体制を精神分析の手法で分析し、ポスト構造主義の先駆者となった。「スキゾ(分裂型)」や「リゾーム(地下茎)」などの独特な用語を用いた。ほかにドルーズとの共著で『哲学とは何か』がある。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「がたり」の意味・わかりやすい解説

ガタリ

フランスの精神科医ラカンに学び,1960年代より精神病院の枠を打破する医療活動を始めるとともに左翼政治運動に加わる。1968年の五月革命で活動後,ドゥルーズと出会い,分裂症分析の概念などを提示しつつ《アンチ・オイディプス》(1972年)を共著。その後も精神医療と政治を結ぶ活動を展開,《精神分析と横断性》(1972年),《分子革命》(1977年)やプルースト論《機械状無意識》(1979年)を著しつつ再びドゥルーズと《千のプラトー》(1980年)を著す。1980年代には《分裂症分析の地図製作法》を著すとともに医療闘争,エコロジー運動と旺盛に活動,三たびドゥルーズと《哲学とは何か》(1991年)を公刊した。
→関連項目ポスト構造主義

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「がたり」の意味・わかりやすい解説

ガタリ
Guattari, Pierre- Felix

[生]1930.4.30. コロンブ
[没]1992.8.29. ブロア近郊
フランスの精神科医,哲学者。確立された精神分析学,哲学,社会学に挑戦したアンチ精神医学運動のリーダーのひとり。 1956年のソ連によるハンガリー侵攻を批判したためフランス共産党から除名されたが,左翼の活動家であり続け,68年の学生の蜂起では学生を支持した。パリ大学を卒業後,精神分析学者 J.ウリーがつくったパリ郊外のラ・ボルド精神病院で斬新な治療を試みた。 64年に精神分析学者 J.ラカンが創設したパリ・フロイト学派に加わりともに活動した。哲学者 G.ドゥルーズと著した『アンチ・オイディプス』L'Anti-oedipe (1972) ,『千のプラトー』 Mille plateaux (80) などは多大な影響を及ぼした。 92年には地方選挙で緑の党の候補として出馬したが落選した。

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