デジタル大辞泉
「仮にも」の意味・読み・例文・類語
かりに‐も【仮にも】
[副]
1 (あとに打消しの語や反語を伴って)打消し・反語の意味を強める。決して。いささかでも。かりそめにも。「仮にも良心を欺くようなことはしたくない」
2 十分でないにせよ、一応ある事実があることを表す。曲がりなりにも。かりそめにも。「仮にも宣言したのであるならば実行すべきである」
3 一時的にも。ちょっとでも。
「弓矢とる身は、―名こそ惜しう候へ」〈平家・四〉
[類語]かりそめにも・いやしくも
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
かりに【仮に】 も
① ほんの一時的にでも。ちょっとでも。かりそめにも。
(イ) 確定文に用いる。
※
伊勢物語(10C前)五八「
葎生ひて荒れたる宿のうれたきはかりにも鬼のすだくなりけり」
※
源氏(1001‐14頃)
末摘花「かりにもおはし通はむを、咎め給べき人なし」
② たとえ一時的、もしくはうわべだけであっても、の意で、下に打消、反語、禁止などを伴い、その意味を強める。
冗談にも。決して。絶対に。
※源氏(1001‐14頃)御法「ひとたび家をいで給ひなば、かりにもこの世をかへりみんとはおぼしをきてず」
③
実質は十分に備えていないかもしれないが、少なくとも、と強調する意を表わす。いやしくも。
※龍潭譚(1896)〈
泉鏡花〉
大沼「たとへ恐しきものなればとて、かりにもわが優しき
姉上の姿に化
(け)したる上は、
われを捕へてむごからむや」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報