因陀羅網(読み)インダラモウ

デジタル大辞泉 「因陀羅網」の意味・読み・例文・類語

いんだら‐もう〔‐マウ〕【因×陀羅網】

帝釈天たいしゃくてん宮殿を飾る網。その無数の結び目一つ一つ珠玉があり、互いに映じあうことから、一切のものが互いに障害とならずに関連しあうことにたとえる。帝網。

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精選版 日本国語大辞典 「因陀羅網」の意味・読み・例文・類語

いんだら‐もう‥マウ【因陀羅網】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] indra-jāla の訳語 ) 仏語因陀羅[ 一 ][ 二 ]帝釈天)が住む宮殿を飾っている網。その無数の結び目の一つ一つに宝珠があり、それらは互いに映じ合って、映じた宝珠が更にまた互いに映じ合うとされるところから、世間の全存在は各々関係しながら、しかも互いに障害となることなく存在していることにたとえる。ことに、華厳宗では諸法の重々無尽であることを、また、真言宗では諸法の円融無碍(えんゆうむげ)であることを、これで説明する。帝網。因陀羅珠網(いんだらじゅもう)
    1. [初出の実例]「因多羅網(インダラマウ)梵語」(出典譬喩尽(1786)一)
    2. [その他の文献]〔華厳五教章‐一〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「因陀羅網」の意味・わかりやすい解説

因陀羅網
いんだらもう
indrajāla

インドラ神の網のこと。インドで一般に魔術所産の意に用いられた。華厳仏教では,インドラ神の宮殿にある網で,結び目に宝玉がつけられ,宝玉同士が互いに映じ合って,それが無限に映じるとして,重重無尽理論を説明するのに用いられる。帝網 (たいもう) ともいう。

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