小野玄妙(読み)おのげんみょう

精選版 日本国語大辞典 「小野玄妙」の意味・読み・例文・類語

おの‐げんみょう【小野玄妙】

浄土宗の僧。仏教美術研究し、「仏教文化を中心とする東洋史の研究」「仏教之美術及歴史」などを著わす。また「大正新修大蔵経」を編集。明治一六~昭和一四年(一八八三‐一九三九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小野玄妙」の意味・わかりやすい解説

小野玄妙
おのげんみょう
(1883―1939)

明治~昭和初期の仏教学者、浄土宗の僧。二楞学人(にりょうがくじん)と号す。幼名は金次郎。横浜に生まれ、14歳のとき鎌倉の光明寺(こうみょうじ)で得度し、宗教大学に学ぶ。帝国美術院の委嘱により大分・佐賀両県の石仏調査をはじめ、中国五台山の霊蹟(れいせき)を巡り、仏教美術の研究に優れた成果を残した。1923年(大正12)から『大正新修大蔵経(たいしょうしんしゅうだいぞうきょう)』編纂(へんさん)主任となり、また『仏書解説大辞典』『南伝大蔵経』『清朝(しんちょう)実録』の刊行に尽くした。1932年(昭和7)文学博士の学位を得、文部省国宝調査委員、高野山(こうやさん)大学教授などを歴任。昭和14年6月27日、脳溢血(のういっけつ)で急逝した。著書は『仏教之美術及歴史』『仏教美術概論』『仏像の研究』『大分の石仏に就(つい)て』『健駄邏(ガンダーラ)の仏教美術』『五台山写真集』『大乗仏教芸術史の研究』など多数がある。

[櫻井秀雄 2017年5月19日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小野玄妙」の解説

小野玄妙 おの-げんみょう

1883-1939 大正-昭和時代前期の仏教学者。
明治16年2月28日生まれ。浄土宗の僧。「大正新脩大蔵経」の編集主任となり,また「仏書解説大辞典」を編集。仏教美術も研究し,「大乗仏教芸術史の研究」「仏教美術概論」などをあらわした。文部省国宝調査委員,高野山大教授などを歴任。昭和14年6月27日死去。57歳。神奈川県出身。俗名は金次郎。号は二楞学人。

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