デジタル大辞泉
「御家様」の意味・読み・例文・類語
おえ‐さま〔おへ‐〕【▽御▽家様】
《「おいえさま」の音変化》上方で、中流以上の商家の主婦を敬っていう語。
「―にもお目にかからうと存じ、参りました」〈浄・氷の朔日〉
おいえ‐さま〔おいへ‐〕【▽御家様】
近世、上方で中流以上の商家の主婦を敬っていった語。おえさま。
「よい衆の娘子達や、―方」〈浄・油地獄〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
おいえ‐さま おいへ‥【御家様】
〘名〙 (「お」は
接頭語、「さま」は
接尾語) 上方で中流以上の家、特に商家の主婦を敬って呼ぶ語。内室。おえさま。
※
浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)上「
御家(オイヘ)様、家美
(かみ)様、
内儀、内室、
内方、口鼻
(かか)など、段々各々成べし」
[語誌]古く「いへ」で妻を表わすこともあったが、「おいへさま」は、上方で近世前期から使用された。
武士や裕福な
町人の妻を表わす「
奥様」に次ぐ、中流以上の妻をいうが、子が結婚してから、あるいは年長になってからの
呼称という。さらに下には「おか様」「おかた」「
女房」などもあった。
おいえ‐よう おいへヤウ【御家様】
※俳諧・崑山集(1651)
一一「壁につたふ蔦の
色葉やお家やう〈貞利〉」
おえ‐さま おへ‥【御家様】
〘名〙 「おいえさま(御家様)」の変化した語。
※浄瑠璃・心中万年草(1710)中「おゑ様は中二かいに、お梅様のかみすいてといひければ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報