手実(読み)シュジツ

デジタル大辞泉 「手実」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐じつ【手実】

律令制で、計帳作成のために、毎年6月にその家族人数年齢性別などを記して、戸主から国司に提出させた申告書。

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精選版 日本国語大辞典 「手実」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐じつ【手実】

〘名〙 令制で、計帳作成のために、毎年六月に各戸の戸主から国司に提出させた申告書。戸内各人続柄氏名、性別、年齢などを記したもの。
令義解(718)戸「責所部手実。具注家口。年紀

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「手実」の解説

手実
しゅじつ

律令制下,ある個人が,手ずから実情を記して申告する文書。ふつうは,戸令造計帳条に規定のある手実,すなわち戸主がみずから戸口について,姓名・年齢などの現状を書いたもの(計帳手実)をさすことが多い。写経生が仕事の出来高を報告したものも経師手実・校生手実などという。毎年6月30日までに各戸主から提出された計帳手実は,京職や国司により,その年の現状に去年との異動などを加えて計帳に集約された。

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世界大百科事典(旧版)内の手実の言及

【計帳】より

…6世紀に西魏の蘇綽(そしやく)により整えられ,均田租調役制下に盛唐まで使用された。当時毎年末に各戸主から戸口・田土を申告する〈手実〉を提出させ,県・州でまとめそれに基づいて当年徴収すべき課役を集計して州から都の民部(戸部)に送り,度支(たくし)が全国の財政計画を作成するたてまえであった。計帳には各戸のデータと,各段階での集計の両者が含まれる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」