混効験集(読み)こんこうけんしゅう

精選版 日本国語大辞典 「混効験集」の意味・読み・例文・類語

こんこうけんしゅう コンカウケンシフ【混効験集】

江戸前期の琉球語辞書。二巻。識名盛命ほか編。宝永八年(一七一一成立。各巻とも乾坤・人倫・飲食言語などの部門に分かち、合わせて約一一〇〇語の古代琉球語を掲げ、和語による訳注を施す。

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日本歴史地名大系 「混効験集」の解説

混効験集
こんこうけんしゆう

別称 内裏言葉 二巻

成立 一七一一年

原本 県立博物館

解説 琉球語の古語辞典ともいうべきもの。向保祐松村按司朝睦が編修主任。首里城御内原のおもに女官らが日常使う言葉を集め、節用集(易林本)を参考にして分類、ほかに邇言便蒙抄・和歌呉竹集などの影響も強く受けている。乾巻は御内原の言葉、坤巻は「おもろさうし」の言葉が多くみられる。原本は国指定重要文化財。注釈本として「琉球古語辞典 混効験集」(一九九五年、第一書房)がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「混効験集」の意味・わかりやすい解説

混効験集
こんこうけんしゅう

沖縄の古語辞書。乾坤(けんこん)2巻からなり、乾巻は11部門約380項目語、坤巻は12部門約720項目語で構成されている。1711年(康煕50)国王尚貞(しょうてい)の宣旨を受け、三司官識名盛命(しきなせいめい)以下7人が編集した。序文によれば、尚賢(しょうけん)、尚質(しょうしつ)、尚貞3代の国王に仕えた老女が覚えているオモロ語や古語の口号(口ずさみ)を収録したものという。沖縄古語だけでなく和語も散見され、大和(やまと)の辞書、物語類からの引例が目をひく。とくに辞書の『呉竹集(ごちくしゅう)』『節用集(せつようしゅう)』が活用されている。書名の意味は、効験あることばを集めてひとまとめ(混)にした集、の意らしい。沖縄県立博物館所蔵の「評定所本(ひょうじょうしょぼん)」は最古筆写本であり、原本であろうと思われる。評定所本の影印を収め流布(るふ)本との校異を示したものに『混効験集――校本と研究』(外間守善(ほかましゅぜん)編著・1970)がある。

[外間守善]

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