軒輊(読み)ケンチ

デジタル大辞泉 「軒輊」の意味・読み・例文・類語

けん‐ち【軒×輊】

[名](スル)《「軒」は車の前が高い、「輊」は車の前が低い意》上がり下がり。高低。転じて、優劣軽重大小などの差があること。
「個人的欲求と社会的欲求とが―するという考えは」〈有島・惜みなく愛は奪ふ

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精選版 日本国語大辞典 「軒輊」の意味・読み・例文・類語

けん‐ち【軒輊】

〘名〙 (「詩経小雅六月」の「戎車既安、如輊如軒」による語。「軒」は車の前が高く、「輊」は車の前が低くなる意) あがりさがり。高低。上下。転じて、まさっていることとおとっていること。優劣。軽重。
日本詩史(1771)四「則其中大有軒輊
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉小尼公「他の親族の人々と我との間に、何の軒輊(ケンチ)するところもなき如し」 〔顔延之‐又釈何衡陽書〕

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普及版 字通 「軒輊」の読み・字形・画数・意味

【軒輊】けんち

車の前のあがりさがり。高低。比較優劣の意に用いる。唐・韓〔劉生〕詩 生名は師命ず、其の姓は劉 少より軒輊、常の儔(たぐひ)に非ず 家をつること(わす)るるが如く、來(きた)つてす 東のかた梁・宋と、揚州とに走(おもむ)く

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