農民工
中国の農村部から都市部に出稼ぎにきた労働者。中国は国民を「農村戸籍」と「都市戸籍」に分けているが、農民工は社会保障制度の整備が遅れた農村の戸籍のまま都市部で工場従業員やデリバリー配達員、運転手といった仕事に従事している。「農民工」との表現を初めて使ったのは中国の社会学者の1982年の著作だとされる。先進国より低い賃金で中国の経済成長を支えてきた。国家統計局によると、2023年の農民工総数は2億9753万人に上る。(北京共同)
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農民工
のうみんこう
中国において、居住地の農村から離れて都市部に出て就労する出稼ぎ労働者をさすことば。とくに貧困地帯である内陸部の河南(かなん)省や湖南(こなん)省などの出身者が、沿岸部の上海(シャンハイ)や深圳(しんせん)などへ移動し、建設業、製造業などに単純労働者として従事するのが一般的である。中国では厳しい戸籍管理制度が実施されているため、農民工は都市部で長年働いたとしても、戸籍上その都市の住民になれず、身分も農民のままのケースが多い。また、都市部出身の労働者と比べて労働条件が悪く、収入も少ない。さらに、農民工の子供が都市部の公立学校に入学するのはむずかしく、医療保険の加入率が低いなど、福祉厚生面でも都市部住民と大きな差がある。
中国国家統計局の統計では2017年時点の農民工の総数は2億8652万人。「農民工に都市部住民と同じ権利を与えるべきだ」と主張する世論が高まっていることを受け、農民工による労働組合が認められ、戸籍移動を緩和するところも増えている。都市部住民との格差はまだ大きいが、雇用条件などが改善されつつある。
[矢板明夫 2019年4月16日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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