アエタ(読み)あえた(その他表記)Aeta

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アエタ」の意味・わかりやすい解説

アエタ
あえた
Aeta

フィリピンルソン島ピナツボ山山麓(さんろく)地帯に住むネグリト系先住民集団。現在の人口は約5万人。フィリピンのネグリト系の人々はアジア大陸部から渡ってきた古い先住民であるが、マレー系などの移住民によって各島で山間部へ追いやられた。生業は、いも類主食とする山地の焼畑耕作であるが、狩猟漁労も組み合わせて、ほとんど自給自足の生活を送っていた。1991年のピナツボ山の大噴火によって、村や畑が埋まり、壊滅的な被害を受けた。政府によって用意された再定住地に暮らすようになったが、ふたたび山に戻る人々も出てきている一方、低地の生活への適応を目ざしている人々もある。

[木村秀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「アエタ」の解説

アエタ

フィリピンの先住民族の一つ。古くから主にルソン島に定住しており、それぞれ孤立した少数団で生活している。総数近年推計で700万人程度。褐色の肌と縮れた髪の毛が特徴で、伝統的には移動式の焼き畑農業と狩猟採集中心とした生活をしている。1997年にはアエタら同国の少数民族1500万人に対し先祖代々の土地への権利が法的に認められ、以降、膨大な申し立てが行われたにもかかわらず、権利が付与されたのはごくわずかであるとの記事が2015年10月に配信された。

(2015-10-13)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

百科事典マイペディア 「アエタ」の意味・わかりやすい解説

アエタ

フィリピンのルソン島西部ピナトゥボ山地に住むネグリト系少数民族。先住民族として知られる。人口約1500人。伝統的には,移動・焼畑農耕採集・狩猟生活を営む。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android