アカミノイヌツゲ(読み)アカミノイヌツゲ(英語表記)Ilex sugerokii var.brevipedunculata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカミノイヌツゲ」の意味・わかりやすい解説

アカミノイヌツゲ(赤実の犬黄楊)
アカミノイヌツゲ
Ilex sugerokii var.brevipedunculata

モチノキ科の常緑低木。中部地方以北の本州北海道山地に生育し,高さ 1.5mほどになる。枝は淡褐色,革質で,濃緑色の葉を互生する (→葉序 ) 。葉は卵状楕円形で長さ2~4cm,幅1~2cm,葉身の上半部にのみ少数鋸歯をもつ。7月頃,白色の小さな花弁4~5枚をもった花を開く。雌雄異株雄花葉腋に1~3個つき,4本のおしべをもつ。雌花は葉腋から1~2cmの柄を出して1個つき,秋には果実が径約 7mmの球形に赤く熟す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカミノイヌツゲ」の意味・わかりやすい解説

アカミノイヌツゲ
あかみのいぬつげ / 赤実犬黄楊
[学] Ilex sugeroki Maxim. var. brevipedunculata (Maxim.) S.Y.Hu

モチノキ科(APG分類:モチノキ科)の常緑低木。全体が小形で、果実の柄が1~2センチメートルとより短い点で区別されるウシカバクロソヨゴ)の変種。北海道、中部地方以北の本州温帯上部に生育し、ウシカバとはすみ分けている。

[門田裕一 2021年11月17日]

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世界大百科事典(旧版)内のアカミノイヌツゲの言及

【イヌツゲ】より

…関東・中部地方などでは小正月の繭玉を挿し,また蚕のまぶしに使われたこともある。 イヌツゲに似て石果の赤いウシカバ(別名クロソヨゴ)I.sugerokii Max.とその北方系変種アカミノイヌツゲvar.brevipedunculata S.Huが南千島,北海道,本州,四国に分布し,茨城・新潟両県以西の日本と台湾,中国には赤い石果が3~5cmの柄で垂れるソヨゴI.pedunculosa Miq.が分布する。クロガネモチI.rotunda Thunb.は外観がモチノキに似るが,小枝と葉柄は紫色を帯び,暖地では庭園樹として利用される。…

※「アカミノイヌツゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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