アクセサリー(読み)あくせさりー(英語表記)accessory

翻訳|accessory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクセサリー」の意味・わかりやすい解説

アクセサリー
あくせさりー
accessory

付属品、付属物の総称。本来、主となるものを従属的に補助する役目をもつ付属品や部品をさし、カー・アクセサリー、ルーム・アクセサリー、オーディオ・アクセサリー、カメラ・アクセサリー、ドレス・アクセサリーなどという。

 単にアクセサリーといえば、一般には服飾アクセサリー、つまり衣服に付加した(1)付属品、(2)装身具、(3)トリミングなどの、いわゆる服飾付属品(服飾品ともいう)をさすが、狭義には装身具だけをさすことが多い。(1)衣服の付属品には、被(かぶ)り物、履き物、ネックウエア、携帯用品など、本来は装飾性よりも実用性をもつものが多い。洋装では、帽子ベールネクタイ、替え襟、肩掛け、マフラーハンドバッグ手袋ハンカチーフ扇子パラソル、ボタン、ベルトなどがある。(2)装身具には、ブローチ、ピン、イヤリング、腕輪、指輪ネックレス、髪飾りなどがあり、実用性よりも装飾性の大きいものが多い(髪飾りはヘア・アクセサリー)。(3)トリミングは、衣服そのもの、または帽子などの仕上げ飾りであるが、衣服のへりに施す縁どり(パイピングや各種のステッチ)も含まれる。装飾材料には、リボン飾り、羽飾りをはじめ、毛皮造花、ビーズ、スパングル、レース、フリンジ、ボーダー、ブレード、ボタン、ファスナーなどがある。以上のように、服飾アクセサリーは、主体となる衣服の機能をより完全により美しく見せる効果を与えるもので、それによって服装全体がさまざまに変化づけられ、全体のなかのアクセントとして重要な効果をもつものが多い。

 ヘア・アクセサリーは、髪飾りや頭飾品など、髪や頭部に用いる付属品である。髪に飾る生花、造花、羽毛、櫛(くし)、かんざし、レース、宝石、リボンをはじめ、髪粉、ラッカー、かもじ、かつら、ヘアピン、被り物などがある。

 以上のほかにファッション・アクセサリー(またはファッション・アイテム)とよばれるその時代特有の服飾品や小物類がある。たとえば、12世紀から17世紀にかけて熱狂的に愛好された手鏡とポケットミラー、16世紀のイタリアやスペインの香水をしみ込ませた手袋、18世紀後期に流行した柄(え)付きの眼鏡や片眼鏡、鼻眼鏡。あるいは雨傘、日傘、ステッキ、扇子など、今日では日用品とみなされている多くの小道具が、かつては貴重なアクセサリーであった。ロココ時代に流行したパッチ(つけぼくろ)や16世紀の半仮面などのように、現代ではそのほとんどが姿を消した服飾品にも、衣服に劣らず時代の様式を特徴づけるものが多い。

[平野裕子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクセサリー」の意味・わかりやすい解説

アクセサリー
accessory

本来は補助物,付属品の意であるが,服装ではそれ自体が独立した機能をもちながら,同時に主体となる衣服を着る際につけ加える品目の総称。すなわち広義には靴,バッグ,ネックウエア,帽子,手袋,宝石類など,着装を完成させるすべての物品を含み,狭義にはネックレス,ブローチ,ブレスレット,イヤリング,指輪などの装身具類のみに限定される。原始社会ではときにアクセサリーが主で衣服はむしろ従的であることもあり,今日の概念とは必ずしも一致しない。現代は衣服そのものの単純化に伴い,逆にアクセサリーの比重は増大しつつあり,アクセントとして,また装身上の最後の仕上げの役割をもって,特に女性に多く用いられる。

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