アコンカグア山(読み)あこんかぐあさん(英語表記)Cerro Aconcagua

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アコンカグア山」の意味・わかりやすい解説

アコンカグア山
あこんかぐあさん
Cerro Aconcagua

アルゼンチン西部のアンデス山中にある山。標高6960メートル。南北アメリカのみならず、西半球を通じての最高峰である。山頂は、アルゼンチンとチリ国境をなすアンデス主稜(しゅりょう)線より12キロメートル東方のアルゼンチン領内にある。南方20キロメートルには、両国を結ぶもっとも重要な交通路であるウスパヤタ峠がある。円錐(えんすい)形をした山容火山岩質の地層の存在から、かつては火山と推定されていたが、中生代白亜紀後期の安山岩や火山砕屑(さいせつ)岩からなる非火山性の山である。頂部には氷河を頂くが、周囲が乾燥気候であるため降雪量が少なく、万年雪帯は標高約5000メートル以上に限られる。1897年イギリスのフィッツジェラルド登山隊の一員ツルブリッケンが初登頂に成功、日本の登山隊としては1953年(昭和28)早稲田(わせだ)大学登山隊が初めて登頂した。

[松本栄次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アコンカグア山」の意味・わかりやすい解説

アコンカグア山
アコンカグアさん
Cerro Aconcagua

アルゼンチン中部西寄り,メンドサ州北西端部にある山。州都メンドサの西北西約 110km,チリとの国境に近いアンデス山脈中に位置する。アンデスの最高峰で,標高は 6959m。火山起源ではあるが,火口はなく,噴火の記録もない。標高 4500m以上は氷雪におおわれている。 1897年イギリスの E. A.フィッツジェラルドの率いる遠征隊の隊員が初登頂。 1953年には日本の早稲田大学登山隊も登攀。南麓のウスパヤタ (クンブレ) 峠を越えてアンデス横断鉄道とパンアメリカン・ハイウェーが通る。

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