チリのサンチアゴ北北東約90km(南緯32°50′,西経70°40′)にある国境の峠。アンデス山脈を越え,アルゼンチンとチリを結ぶ交通路のうち最も重要な峠である。峠の標高は3855m。1887年着工,1910年完成のトランス・アンデス鉄道のトンネル(長さ3137m,最高点3185m)がある。電車が来ないときは,トンネルの軌道の上を車で通れる。峠には両国の国境における平和を願ってキリスト像が立てられている。アルゼンチン側の最後の集落はメンドサから160kmにあるプエンテ・デル・インカPuente del Incaで,アコンカグア山などアルゼンチン側のアンデスへの登山基地でもある。国境近くのラスクエバスには税関などがある。チリ側ではポルティヨPortilloという南半球有数のスキー場があり,多数のホテルがある。
執筆者:野上 道男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...