イスラムにおける礼拝の時刻を告げる肉声による呼びかけで,ユダヤ教のらっぱ,仏教・キリスト教の鐘に相当する。アザーンはイスラム法上の慣行(スンナ)であるが,集団の礼拝に際してはだれか一人が代表して唱えればよい。これを唱える人をムアッジンmu'adhdhinというが,彼は人差指を耳の穴に入れて,メッカの方角に向かって次のようにアラビア語でアザーンを唱える。
(1)アッラーは偉大なり(4回)
(2)私はアッラーのほかに神なしと証言する(2回)
(4)いざや礼拝に来たれ(2回)
(5)いざや成功のために来たれ(2回)
(6)アッラーは偉大なり(2回)
(7)アッラーのほかに神なし(1回)
早朝の礼拝(ファジル)のアザーンは(5)と(6)の間に〈礼拝は眠りに勝る〉(2回)という文句が入る。またシーア派のアザーンは(5)と(6)の間に〈いざや善行のために来たれ〉(2回)が入り,最後の(7)を2回繰り返して唱える。
執筆者:飯森 嘉助
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…そして事実,イスラム世界にも〈宗教音楽〉と呼びうるものが少なからず存在する。イスラム教徒に礼拝の時刻を告げる呼びかけ〈アザーン〉は,専業の朗唱師ムアッジンによってミナレットの上から声高らかに唱えられるが,これはきわめて〈音楽的〉な現象である。イランやトルコでは,アザーンが古典音楽の旋法の一つにほぼのっとり唱えられ,また時刻によって異なった旋法によるアザーンが唱えられることもある。…
…礼拝(ナマーズnamāz)はスンナ派では毎日5回であるが,十二イマーム派が多数を占めるイランでは,昼と午後の2回を1回に,夕と夜の2回も1回に合わせて行うのが普通である。また礼拝の刻の告知(アザーン)も,別に2句加えて唱える。金曜の集団礼拝はスンナ派モスクでは大事な儀礼であるが,シーア派イランでは,礼拝の指導者イマームが特別に立つ時のほか,それほど重要でない。…
…イスラムの礼拝堂モスクの構成要素の一つで,ムアッジンが信徒に祈禱の時刻を告げる,いわゆるアザーンを行うための高塔。アラビア語ではマナーラmanāra。…
※「アザーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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