アゾキシベンゼン(読み)あぞきしべんぜん(英語表記)azoxybenzene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アゾキシベンゼン」の意味・わかりやすい解説

アゾキシベンゼン
あぞきしべんぜん
azoxybenzene

アゾキシ基-N=N(→O)-をもつ有機化合物をアゾキシ化合物と総称するが、その代表的なものの一つ。

 トランス形とシス形とが存在するが、シス形は不安定なためトランス形のみを考えることが多い。トランス形構造をもつもの、シス形構造をもつものとも淡黄色結晶ニトロベンゼンを亜ヒ酸ナトリウムのアルカリ水溶液で穏やかに還元するか、アゾベンゼン過酸で酸化すると得られる。エーテルアルコールに溶けるが、水には溶けない。トランス形に光をあてると転位生成物o(オルト)-オキシアゾベンゼンとともにシス形が得られる。濃硫酸と加熱するとp(パラ)-オキシアゾベンゼンに転位する。

[谷利陸平]


アゾキシベンゼン(データノート)
あぞきしべんぜんでーたのーと

アゾキシベンゼン

 分子式  C12H10NO2
 分子量  198.2
 融点   38~38.5℃
 沸点   分解

アゾキシ基

原子価の概念では

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