アダム=ビード(読み)アダムビード(その他表記)Adam Bede

デジタル大辞泉 「アダム=ビード」の意味・読み・例文・類語

アダム‐ビード(Adam Bede)

ジョージ=エリオットによる長編小説。1859年発表。19世紀初頭の農村舞台に、大工青年の心の成長を描く田園悲劇。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 ジョージ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アダム=ビード」の意味・わかりやすい解説

アダム・ビード
Adam Bede

イギリスの女流作家 G.エリオットの小説。 1859年刊。ヘイスロープ村の実直な大工アダム・ビードは,美貌で派手好みの村の娘ヘティ・ソレルに恋している。ヘティは虚栄心が強く,地主の孫で軍人アーサー・ドニソーンに心をひかれ,身をまかせる。アーサーは休暇が終って帰任するが,あとに残ったヘティは身ごもっている。世間体をつくろうため,ヘティはアダムとの結婚をいったん承諾するが,挙式の前日に出奔しアーサーのあとを追う。しかし任地を転々とするアーサーとの再会もならず,あきらめて引返す途中子供を産み落し,これを森の中に遺棄して嬰児殺しの罪に問われる。後悔したアーサーの奔走により,ヘティは処刑を免れて,オーストラリアに流刑となる。アダムはメソジストの女説教師で心のやさしいダイナという女性と結婚する。イギリス中部の田園を舞台に,あふれる牧歌情緒のなかで,心理的葛藤のドラマを追究したもの。作者はこれを自作中の最高の小説とした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアダム=ビードの言及

【エリオット】より

…ジョージ・エリオットという男の筆名をこの時初めて用いている。続いて長編《アダム・ビード》(1859),《フロス川の水車場》(1860)を発表,一躍有名となる。前者は19世紀初頭の農村を舞台とする田園悲劇,後者は作者自身を思わせる若い娘の成長の苦悩を描いている。…

※「アダム=ビード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android