アチェ族(読み)アチェぞく(英語表記)Achenese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アチェ族」の意味・わかりやすい解説

アチェ族
アチェぞく
Achenese

インドネシアスマトラ島の北部に住む一民族。人口約 260万と推定される。マレー人,インド人との混血が著しい。言語はオーストロネシア語族のインドネシア語派に属する。稲作生業とし,杭上家屋に居住する。 13世紀にイスラム教徒となり,15~16世紀頃,海上貿易によって勃興し,スルタンのもとに封建諸侯の統治が行われた。 19世紀のアチェ社会は,王族貴族農民,宗教集団,奴隷などに階層分化されていたが,これはほぼ崩壊し,現在では貧富の差が大きな意味をもち,貴族と平民とに分れる。かつては父系的な氏族組織をもっていたが,徐々に双系制に移行し,婚姻は妻方居住制をとり,女性の地位は比較的高い。イスラム教シャーフィイー派を信仰し,イスラム法が社会に浸透している。

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