日本大百科全書(ニッポニカ) 「アピ火山」の意味・わかりやすい解説
アピ火山
あぴかざん
Gunung Api
「アピ」はインドネシア語で「火の山」の意で、同国にはこの名の活火山が数個ある。
(1)モルッカ諸島バンダ島の火山(658メートル。安山岩)。1586~1901年にしばしば爆発(溶岩流出2回)し、惨害を出した。
(2)サンギヘ諸島シアウ島の火山(1784メートル。安山岩)。1675年以降、二十数回噴火し、近くでは1971~1980年にも爆発を反復し、溶岩流も発生、惨害を出した。
(3)小スンダ列島ウェタル島北方の小活火山島(282メートル。安山岩)。16~17世紀に2回爆発した。
(4)小スンダ列島スンバワ島北東方のサンギアン島の火山(1949メートル。安山岩)。1512~1958年に数回爆発した。
(5)小スンダ列島パンタル島シラン火山の別名(862メートル。玄武岩、安山岩)。1852~1947年に5回水蒸気爆発をした。
(6)バリ島の著名な活火山アグン火山の別名(3142メートル。安山岩)。1808~1964年に5回噴火した。1963年の大噴火では、熱雲、火山泥流で死者1870人を出した。
(7)小スンダ列島フロレス島イジャ火山の別名(637メートル。安山岩、玄武岩)。1671~1971年に7回噴火した。
なお、(1)(4)(6)(7)には火山観測所がある。
[諏訪 彰]