百科事典マイペディア 「アマゾン開発計画」の意味・わかりやすい解説 アマゾン開発計画【アマゾンかいはつけいかく】 ブラジル政府が東部のアマゾン川下流域のおよそ90万km2の広大な地域で推進している〈大カラジャス開発計画〉,すなわちカラジャス鉄鉱山の開発,鉄道・港湾の建設,農林業開発,鉄を除く各種金属の資源開発,また2010年までにアマゾン川流域にツクルイダム(世界第4位の規模。堰堤の延長は3.5km)など約80ヵ所のダムと発電所を建設するなどという計画。すでに世界銀行や米州開発銀行から資金援助を受けて道路建設が実施されている。 ブラジル政府は1960年代末から原子力発電所建設計画を進めたが,発電所の相次ぐ故障やトラブルが原因でこのための対外債務が生じ,石油危機できわめて悪化。そこで開発による経済成長によって対外債務を返済しようと立案したのが,大カラジャス開発計画。世界の自然保護団体・研究者などは〈貴重な熱帯雨林と生物の多様性が失われる〉として開発計画の見直しを訴えている。1991年8月,ジュネーブで開かれた国連環境開発会議第3回準備会合で日本,英国,フランスの3国が熱帯林保全条約締結を提案した際,ブラジルはマレーシアなどとともに〈自国の資源として,森林を開発する権利がある〉とあくまで反対,結局国連環境開発会議では条約締結はせず,拘束力のない《森林に関する原則声明》が採択された。→アマゾン水俣病→関連項目アマゾニア|アマゾン[川] 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報