アヤソフィア(その他表記)Ayasofya

デジタル大辞泉 「アヤソフィア」の意味・読み・例文・類語

アヤソフィア(Ayasofya)

《「アギアソフィア」「ハギアソフィア」とも》
トルコ北西部の都市イスタンブールにある大聖堂。4世紀、東ローマ皇帝コンスタンティヌス1世の時代に建立された聖堂に起源し、2度の大火で焼失した後、6世紀にユスティニアヌス1世によって建造。直径33メートル、高さ56メートルという大ドームをもつ。コンスタンチノープルの陥落以降、オスマン帝国スルターンメフメット2世によってイスラム寺院に転用され、ミフラーブ壁龕へきがん)と4本の尖塔が加わり、モザイク画が漆喰しっくいで塗りつぶされた。現在は博物館になっている。1985年に「イスタンブール歴史地区」として世界遺産(文化遺産)に登録された主要な歴史的建造物の一つであり、ビザンチン建築の傑作と称される。聖ソフィア大聖堂。
トルコ北東部の都市トラブゾンにある後期ビザンチン様式の教会。5世紀の創建。13世紀に東ローマ皇帝マヌエル1世により改築された。オスマン帝国時代にイスラム寺院に転用されたが、現在は博物館になっている。堂内には最後の晩餐ばんさんや聖母マリアを描いたフレスコ画が残り、ビザンチン美術の傑作として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「アヤソフィア」の解説

アヤソフィア

537年、ビザンツ帝国時代にギリシャ正教の大聖堂としてコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)に完成。巨大なドームを天井とし、ビザンツ建築の最高傑作と呼ばれる。1453年、オスマン帝国のメフメト2世による征服後はイスラム教モスク(礼拝所)となった。トルコ建国後、1934年の閣議決定で博物館と定められ、翌年から公開。今月10日、最高行政裁判所が閣議決定は無効と発表し、エルドアン大統領が再びモスクとすることを決定した。(イスタンブール共同)

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

知恵蔵mini 「アヤソフィア」の解説

アヤソフィア

トルコのイスタンブールにある世界遺産の一部である歴史的建造物の名称。「アギアソフィア」「ハギアソフィア」(Hagia Sophia)とも呼ばれる。もともとは東ローマ皇帝コンスタンティヌス1世の時代(4世紀)に建立された東方正教会(ギリシャ正教会)の聖堂であったが、オスマン帝国の征服後にイスラム教のモスクとして改修され、トルコ建国後の1934年、宗教的に中立な博物館となった。巨大なドームのある教会建築、ドームのある建造物として世界最大級の規模を誇る。2020年7月、トルコのエルドアン大統領は同建造物をイスラム教の礼拝の場であるモスクに変更することを決め、国際社会で物議を醸している。

(2020-7-14)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「アヤソフィア」の意味・わかりやすい解説

アヤ・ソフィア
Ayasofya

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アヤソフィア」の意味・わかりやすい解説

アヤ・ソフィア
あやそふぃあ

ハギア・ソフィア

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアヤソフィアの言及

【イスタンブール】より

… 1453年5月29日,40日余の激戦の末,オスマン帝国軍は市壁を破って入城し,ビザンティン帝国は滅亡した。オスマン帝国のスルタン,メフメト2世は,ただちにこの町を帝国の新しい首都とするとともに,その名をイスタンブル(ギリシア語で〈町へ〉を意味するイスティンポリンIstinpolinに由来する)と改名し,ハギア・ソフィアをモスクに改築(現,アヤ・ソフィア)させた。スルタンは,これにつづいて新首都の再建事業に乗り出し,まず征服後市内にふみとどまった旧市民の生命・財産の安全を保証するとともに,アナトリアとバルカン領土内に住むトルコ人,ギリシア人,アルメニア人,ユダヤ人,ブルガリア人,セルビア人などの富裕な商人や職人を強制的に移住させた。…

【ハギア・ソフィア】より

…532年起工,537年献堂。1453年コンスタンティノープル陥落後,4本のミナレット,ミフラーブ,スルタンのためのマクスーラ(仕切席)などが加えられてモスクに転用されアヤ・ソフィアAyasofyaと呼ばれた。これがオスマン・トルコ建築に与えた影響は少なくない。…

※「アヤソフィア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android