アリストテレスの提灯(読み)ありすとてれすのちょうちん(英語表記)Aristotle's lantern

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリストテレスの提灯」の意味・わかりやすい解説

アリストテレスの提灯
ありすとてれすのちょうちん
Aristotle's lantern

棘皮(きょくひ)動物のウニ類の口器の名称。殻の内側下部に位置する複雑な構造の大形そしゃく器官で、5種40片の骨からなり、6種60枚の筋肉が付着する。構成骨のうちで最大のものは顎骨(がくこつ)とよばれ、対をなす顎骨片の縫合線の内側に細長い歯骨がある。歯骨の下部先端はとがり、歯として口の部分に露出する。名称の由来は、紀元前4世紀に哲学者アリストテレスが古代ギリシア製の提灯に似たものとして初めて記載したことによる。ウニ類のうち、ブンブク類とマンジュウウニ類にはこの器官はない。

[重井陸夫]

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