アルゴイ(読み)あるごい(英語表記)Allgäu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルゴイ」の意味・わかりやすい解説

アルゴイ
Allgäu

ドイツ南部,西はボーデン湖から東はレヒ川の間に広がる地方の名称。バイエルン州のほか一部はバーデンウュルテンベルク州に属する。南縁のオーストリア国境にあるアルゴイアーアルペンは,アルプスの前地で,その北側には氷堆石丘陵地がドナウ川まで連なり,多くの河川が流れ,河岸段丘を形成。中世には,穀物アサが栽培され,織布の家内工業が盛んな地方であったが,19世紀にスイス人の指導で酪農に転換。エンメンターラーケーゼ (エメンタールチーズ) として知られるチーズ製造が広く行われる。牧草地や飼料畑が卓越し,年間を通じての観光保養地が多く,民宿経営も盛ん。オーベルストドルフは世界的なスキー場。主要都市ケンプテンには,南ドイツ・チーズ・バター取引所がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルゴイ」の意味・わかりやすい解説

アルゴイ
あるごい
Allgäu

ドイツ南部、アルプス北麓(ほくろく)の地方名。オーストリアとの国境をなすアルゴイ・アルプスから北へ向かってしだいに低下する氷堆石(ひょうたいせき)の丘陵と、その間に点在する湖沼湿地、散村形態の農家が特徴的な風景をなす。牧牛と酪農が広く行われ、特産のチーズが知られている。主要都市は、ケンプテン、フュッセン、インメンシュタット、ゾントホーフェンなどがある。年間を通じて観光地や保養地としてにぎわっている所が多い。

[朝野洋一]

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