とも座(読み)ともざ(その他表記)Puppis

改訂新版 世界大百科事典 「とも座」の意味・わかりやすい解説

とも(船尾)座 (ともざ)
Puppis

略号Pup。冬空のおおいぬ座の南東につづく広大な南天星座フランスの天文学者N.ラカイユが分割命名した。ギリシア時代にはアルゴ座というギリシア神話アルゴ船をかたどった広大な星座があったが,あまりに広い天域を占めるので,とも(船尾),りゅうこつ(竜骨),ほばしら(帆柱),ほ(帆)の4部分に分割され,さらにほばしら座はらしんばん(羅針盤)座に変更された。天の川に面し,1942年11月にこの星座に新星が出現し,アルゼンチン,アメリカなどで数人により発見された。光度極大時は0.2等に達し,もっとも明るい新星の一つであったが,急速に減光し現在は肉眼では見えない。概略位置は赤経7h40m,赤緯-32°。午後8時の南中は3月中旬である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「とも座」の意味・わかりやすい解説

とも座
ともざ
Puppis

艫座。3月中旬の宵に南中する南天の星座アルゴ座をニコラ・ルイ・ド・ラカイユが 4星座に分割したものの一つで,α~ε星は別の星座に含まれる。ζ星は 2.3等,スペクトル型 O5,ウォルフ=ライエ星と呼ばれる異常に明るい星の一つ。L2星は明るい半規則変光星で,周期 141日で 3.4等から 6.2等まで変化する。M93,NGC2422,NGC2439,NGC2477,NGC2451など多くの散開星団を含む。また,散開星団 M46は惑星状星雲 NGC2438を含んでいる。CP星は 1942年に出現した新星で,極大では 0.2等にもなったが現在は 17等である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「とも座」の意味・わかりやすい解説

とも座
ともざ / 船尾座

冬の宵の南の地平線上に浮かぶ大きな星座。フランスの天文学者N・L・ラカイユがアルゴ座を4分割したものの一つで、おおいぬ座の南東に接する。冬の淡い天の川の中にあり、明るい星も多く目をひくが、星を結んでアルゴ船の船尾の姿をそこに想像するのはむずかしい。双眼鏡で見て興味をひく天体としては、同一視野内に東西に並んで見える散開星団M46とM47がある。西側で星粒が大きくまばらなほうがM47である。

[藤井 旭]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「とも座」の意味・わかりやすい解説

とも(船尾)座【ともざ】

3月中旬の夕方,南の地平線近くに見える星座。アルゴ座を4分割した一つ。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android