『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の上品(じょうほん)に収載されている漢薬。古代大形哺乳(ほにゅう)動物の骨の化石化したものを用いる。現在判明している動物としては化石ゾウ、化石ジカをはじめ、サイ類、イノシシ類、ウシ類などがあげられる。竜骨はその質の違いにより、商品上「花(か)竜骨」と「土(ど)竜骨」とに分けられる。前者は灰色で、表面には灰黒色、褐色、黄色あるいは青色をした斑紋(はんもん)、条紋(これを花紋(かもん)という)が認められる。質はやや硬いが、破砕しやすく容易に粉末となる。後者は表面に花紋がなく、断面は中空あるいは多孔質である。質は硬くて破砕しにくいが、破砕すると小片となる。花竜骨のほうが上質品とされる。竜骨の主成分は炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどである。主たる薬能は精神安定作用で、ノイローゼ、ヒステリー、失眠、めまいなどに応用される。通常は牡蠣(ぼれい)(マガキなどの貝殻)とともに漢方処方に配合される。古来、竜骨の品質については「なめてみて舌に吸着するものがよい」とされており、新しい骨を石灰水や沈降炭酸カルシウムで処理した偽品には吸着性はない。
[難波恒雄・御影雅幸]
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…船底の船体中心線位置において船首から船尾まで縦通し,船首材,船尾材と結合される部材。船体の背骨に相当するもので竜骨とも呼ばれる。船体構成上の基本部材であるとともに縦強度を支持する構造部材の一つである。…
…中型ないし大型のゾウで,東南アジアでは,ジャイアントパンダ,オランウータンなどをともなうことが多く,そうした組合せはステゴドン‐ジャイアントパンダ動物群(または万県(ワンシエン)動物群)とよばれている。1804年(文化1)に,琵琶湖の西岸にある滋賀県大津市堅田の南庄で発見され,竜骨として有名になったのは,このトウヨウゾウの化石であり,82年にドイツ人E.ナウマンによってステゴドンの1種として記載された。ステゴドンは,温暖な気候のもとでの森林生活者とされる。…
※「竜骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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