アルジェリア人質事件(読み)あるじぇりあひとじちじけん

共同通信ニュース用語解説 「アルジェリア人質事件」の解説

アルジェリア人質事件

2013年1月16日に発生。アルジェリア人のベルモフタール容疑者がイスラム武装組織を率いて首謀したとされる。南東部イナメナスのガス田施設でプラント建設大手「日揮」の社員ら多数の外国人を人質に立てこもり、日本人10人を含む40人が死亡した。事件をきっかけとし、緊急時に自衛隊による邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法が成立。ベルモフタール容疑者が事件後に立ち上げた組織「アルムラビトゥン」はマリやブルキナファソなどのテロでたびたび関与が指摘されている。(カイロ共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルジェリア人質事件」の意味・わかりやすい解説

アルジェリア人質事件
あるじぇりあひとじちじけん

2013年1月16日、アルジェリア南部イナメナスの天然ガス採掘施設で発生し、日本人10人を含む39人が犠牲となった人質事件。国際テロ組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織Al-Qaeda in the Islamic Maghreb(AQIM)」の元幹部とされるアルジェリア人のベルモフタールMokhtar Belmokhtar(1972―2013?)率いる30人ほどの武装グループが、プラントから出てきたバスを襲撃、その後プラント内の居住区域に押し入り、大手プラント建設会社「日揮」(本社、横浜市)の日本人社員を含む100人以上を人質に取って立てこもった。武装グループのねらいは外国人であり、襲撃当初から複数の外国人が殺害された。

 事件を短期間で解決するため、アルジェリア軍は早い段階で軍事作戦を強行武装勢力制圧を優先し、武装勢力とともに人質も乗せられていた車両をヘリコプターから攻撃した。これにより武装勢力、人質の双方に多数の死者が出て、このアルジェリア軍の対応が適切だったのかどうかが、国際的に大きな議論となった。

 事件発生当初から、日本政府には現地一次情報が入らず、対応は混乱し続けた。また、会社や遺族側の要望を聞き入れ、当初は被害者実名を公表しなかった。

[編集部]

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