日揮(読み)にっき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日揮」の意味・わかりやすい解説

日揮(株)
にっき

国際的な総合エンジニアリング会社。1928年(昭和3)アメリカのユニバーサル・オイル・プロダクツ(UOP)社からダブス式熱分解プロセスの特許を取得した実吉雅郎(さねよしまさろう)が、石油製品の製造、販売を目的として日本揮発油(株)を創立製油所建設計画挫折(ざせつ)したが、1938年にUOP社からイソオクタン製造法の特許を取得し、陸・海軍燃料廠(しょう)や日本石油などにその設計サービスを提供してエンジニアリング活動を開始、1942年には新潟県新津に水添(すいてん)触媒工場を建設。第二次世界大戦後は1952年(昭和27)にUOP社と石油精製石油化学プロセスの全特許実施契約を結び、石油各社のFCC法、プラットフォーミン法導入に尽力した。1965年以降は海外からも製油所の一括設計・建設を受注する一方、使用済み核燃料再処理工場の設計等の原子力分野をはじめ、天然ガス・都市ガス、食品医薬品などのプラントエンジニアリングに総合化した。1976年より現社名。資本金235億円(2008)、売上高4601億円(2008)。

[中村清司]

『日揮株式会社社史編纂委員会編『日揮五十年史』(1979・日揮)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日揮」の意味・わかりやすい解説

日揮
にっき

エンジニアリング会社。 1928年実吉雅郎により日本揮発油として設立当初は石油製品の製造,販売,輸出入を手がけていたが,38年アメリカのユニバーサル・オイル・プロダクツからイソオクタン製造法の特許を買取りエンジニアリング会社として再出発。 55年に出光興産・徳山製油所建設工事のゼネラルコントラクターに選定され発展した。その後,プラント輸出に乗出し,67年には使用済核燃料再処理工場の設計を受注し,原子力産業分野にも進出した。 76年現社名に変更。主たる事業は石油精製工事,石油化学工事,ガス・鉄鋼・化学工事,原子力工事など。売上構成比は,ガス処理 34%,化学 19%,石油 23%,一般製造設備 13%,原子力5%,社会開発5%。年間売上高 3902億 8300万円 (連結。うち海外事業 74%) ,資本金 195億 5700万円,従業員数 2359名 (1999) 。

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百科事典マイペディア 「日揮」の意味・わかりやすい解説

日揮[株]【にっき】

1928年に米国OUP社の石油精製特許技術を買い取り設立された,国際級のエンジニアリング会社。事業内容は,石油精製,石油化学,天然ガス,タール・ガス化学,医薬品,食品,原子力等の各種プラントの設計・調達・建設。系列色はない。東南アジア中近東など海外での実績が豊富。本社東京。2011年資本金235億円,2011年3月期売上高4472億円。海外売上比率は71%。売上構成(%)は,総合エンジニアリング90,触媒・化成品8,その他2。
→関連項目アルジェリア日本人人質事件

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「日揮」の解説

日揮

正式社名「日揮株式会社」。英文社名「JGC CORPORATION」。建設業。昭和3年(1928)「日本揮発油株式会社」設立。同51年(1976)現在の社名に変更。横浜本社は横浜市西区みなとみらい。エンジニアリング会社。各種プラント・施設の計画・設計・建設を手がける。石油精製・石油化学などの大型プラントに実績。海外事業に積極的。東京証券取引所第1部上場。証券コード1963。

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世界大百科事典(旧版)内の日揮の言及

【プラント・エンジニアリング産業】より

…プラント施設別には,電力プラント,通信プラント,化学プラント,製鉄プラント,その他産業プラント,海洋施設,陸上鉄構物,貯蔵・輸送システム,環境衛生システム,都市・社会開発システムに分けられる。プラント・エンジニアリングは,元請けを専業大手(日揮,千代田化工建設,東洋エンジニアリング),重電機器,鉄鋼大手,商社などが担当し,その下で機械の製作からプラント,土木まで建設会社が担当する形が多い。 日本のエンジニアリング企業の大手は戦後生れの新しい産業である。…

※「日揮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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