日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルマグロ」の意味・わかりやすい解説
アルマグロ
あるまぐろ
Diego de Almagro
(1464/1475―1538)
スペインのコンキスタドレス(征服者)。シウダド・レアル近くのアルマグロで拾われた捨て子で、地名を姓とした。のちパナマに赴き(1515)、1522年ピサロの探検に加わり、ペドラリアス・ダビラと協力(1524)、エルナンド・デ・ルーケとともにピサロのペルー征服を助けた(1533)。彼はピサロと結局は不和になるが、それまでの協力で1534年カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)からペルー南の領地のアデランタード(太守)を命じられた。1535~1536年にチリ遠征を企てたが、この地は金がとれず不毛で、また原住民の反抗にあって失敗、ピサロに反逆してクスコに進撃したが、ピサロの弟エルナンドに破れ、同地で処刑された。アルマグロには原住民との間に1子ディエゴ(同名)があり、父ディエゴの処刑後その残党とともにピサロを虐殺、その復讐(ふくしゅう)を果たしたが、1542年、彼もまた本国から派遣されたクリストーバル・バーカ・デ・カストロに斬首(ざんしゅ)された。
[飯塚一郎]