ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルムクウィスト」の意味・わかりやすい解説
アルムクウィスト
Almqvist, Carl Jonas Love
[没]1866.9.26. ブレーメン
スウェーデンの小説家。ロマン主義から転じて,台頭期のリアリズムの代表者となる。 1815年ウプサラ大学卒業。一時ストックホルムで宗教局に勤めたが,24年から2年間西ベルムランドでルソーの理想に従って,グループで農耕に従事した。 29年ストックホルムに新設された実験的な学校の校長となり 41年までその職にあった。その間 37年ルター教会の牧師となった。 30年代後半からリアリズムに転じ,教会の封建性を批判した『礼拝堂』 Kapellet (1838) ,因襲的結婚を痛罵した『それも可能だ』 Det går an (39) などの問題小説で世論を沸騰させた。やがてその急進的思想は白眼視され,経済的苦境に陥り,51年6月,私文書偽造と債権者毒殺の嫌疑を受けてストックホルムを去る。変名でアメリカを放浪後,ドイツにおいて変名のまま死んだ。『野ばらの書』 Törnrosens bok (14巻,33~51) には,彼の作品の大半が収められている。
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