ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンバルツミアン」の意味・わかりやすい解説
アンバルツミアン
Ambartsumian, Viktor Amazaspovich
[没]1996.8.12. アルメニア,エレバン近郊
ソビエト連邦の天文学者。父は文学の教師。レニングラード大学,次いでプルコボ天文台で天体物理学を修める。レニングラード大学教授(1941~43)を経てエレバン大学教授,1943年エレバン科学アカデミー会員,1947年アルメニア科学アカデミー会員,1953年ソビエト連邦科学アカデミー会員,1961~63年国際天文学連合総裁,1968年国際学術連合総裁。ほかにアルメニア・ソビエト評議会員(1947),ソビエト連邦最高会議代議員(1950)。スターリン賞 2度受賞。高温の星からの紫外線放射と周囲のガス体との相互作用の理論(1932),恒星の物理的性質を考慮した恒星系の統計分析(1934~36),比較的年齢の若い新型の恒星集団(Tアソシエーション)の発見と命名(1947),恒星大気の物理的性質が星間エネルギーの解放と結びついていること,電波星雲の発する電波が超高密度の恒星物質の原子内における相互作用に起因することを明らかにするなど,恒星,星雲の非定常過程の究明と,その起源と進化の理論を構築することに生涯を捧げた。ソ連における理論天体物理学の創始者とされ,教科書『理論天体物理』Theoretical Astrophysics(1958)は大きな名声を博した。
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