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天体物理学 てんたいぶつりがくastrophysics

翻訳|astrophysics

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天体物理学
てんたいぶつりがく
astrophysics

宇宙物理学ともいう。天体の物理学的状態を研究する天文学の一分野。位置天文学あるいは古典天文学に対する語として考えられる。電波,赤外線,X線,γ線,ニュートリノまで含めた天体測光学天体分光学を基礎にして恒星内部の構造,恒星の進化星間ガスの物理,銀河の構造,宇宙論などを研究する学問。

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デジタル大辞泉の解説

てんたい‐ぶつりがく【天体物理学】

天体の物理的状態を研究する天文学または物理学の一部門。天体の光度スペクトルなどをもとに、その組成や温度・圧力などを導き、物理学の諸法則から内部構造や恒星銀河・宇宙の進化などを研究する。天文物理学

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

天体物理学【てんたいぶつりがく】

天体の物理的性質を研究する天文学の一分科。19世紀末から発展。特に近年は,ロケット人工衛星宇宙探査機を用いたほとんど全波長域に及ぶ大気圏外観測が行われ急速に進歩した。
→関連項目天体分光学

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世界大百科事典 第2版の解説

てんたいぶつりがく【天体物理学 astrophisics】

天体および天体の諸現象の物理状態およびその時間変化を調べる天文学。宇宙物理学とほぼ同義。19世紀初めにドイツのJ.vonフラウンホーファー太陽スペクトル中に多数の吸収線を認めたのをはじめとし,19世紀後半から今世紀にかけて発達し,とくに量子力学の発展とともに非常に内容の豊かな学問となった。以前は,天体観測はほとんど可視光,あるいは写真紫外域の観測に限られていたが,第2次世界大戦後電波技術が応用されて電波天文学が発達し,次いでロケットや人工衛星などを利用した大気圏外観測でγ線,X線から可視光,赤外,電波のほとんどすべての波長域で観測が行われるようになった。

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大辞林 第三版の解説

てんたいぶつりがく【天体物理学】

天体の質量・温度・光度・組成など物理的状態を研究する学問。位置天文学および天体力学とともに天文学の重要な分野。宇宙物理学。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天体物理学
てんたいぶつりがく
astrophysics

天体や宇宙の構造、進化を物理学的手法で研究する学問。19世紀中ごろまでの天文学は、主として太陽系内の天体の精密な運動や、恒星の天球上での見かけの動きなどを研究する、いわゆる位置天文学position astronomyが主流であり、ニュートン力学を基礎とする天体力学として発展し、解析力学や数学に大きな貢献をしてきた。しかし、19世紀後半以降、天体のスペクトル観測が始まると、太陽黒点の活動、恒星の大気や内部構造、恒星のエネルギー源などに強い関心が集まり、20世紀になってこれらの問題を解明するために、K・シュワルツシルト、A・エディントン、H・ベーテ、S・チャンドラセカールらが、当時、著しく発展し始めていた原子物理学原子核物理学統計力学などの物理学を天体に応用して、大きな成果を収めてきた。
 宇宙や天体の構造、進化を研究する現代天文学では、物理学は必要不可欠のものとなっており、物理法則を駆使して研究する理論天文学を位置天文学や観測天文学と区別して、とくに「天体物理学」または「宇宙物理学」とよんでいる。物理学を天文学に単に応用するという側面ばかりでなく、宇宙・天体の現象を解明するなかから新しい物理学が誕生した場合も珍しくない。たとえば太陽の黒点、磁場や地球高層大気のオーロラ現象を研究する過程でプラズマ物理学が誕生しているし、恒星のエネルギー源を究明することから核融合の物理学が発展してきた。
 天体物理学は、現在も基礎物理学・応用物理学と深くかかわって発展している。天文学の対象の多くが地上の実験室ではとても実現できない極限状態に置かれている物質が多いからである。たとえば、太陽より重い質量の星の進化の最終段階では、超新星の爆発で星は強く収縮し、中性子星、ブラック・ホールなどになる。これらの天体は1立方センチメートル当り1012グラムにも達する超高密度の状態となっており、中性子星の周辺では、1012ガウスにも達する強い磁場が存在している。銀河団の中心部では10億Kにも達する高温ガスが強いX線を放っている。クエーサーは銀河中心核の巨大なブラック・ホールと考えられ、そこでは異常に強い重力場が存在している。星間空間は、原子の個数密度が1立方センチメートル当り10個程度という極端に希薄な気体である。また、零下200℃以下の低温状態にある星間塵(せいかんじん)の表面で、地上では存在しない分子が次々とつくられている。このような極限状態の物質や天体を研究する天体物理学から新しい物理学が今後も生まれてくることであろう。
 21世紀における天体物理学の展開について述べてみよう。
(1)近年、人工衛星の観測でγ(ガンマ)線バースト現象が数多く検出されており、銀河系外天体の起源と推定されている。これは1020電子ボルトにも達する宇宙線の起源ともからんで、ブラック・ホール周辺での超高エネルギー物理学のいっそうの発展を促すであろう。
(2)光や電波での観測技術の発展により、重力レンズ天体が数多く発見されている。一方、あまりに微弱で、検出が不可能であった重力波も21世紀なかば前までには検出できよう。一般相対性理論にまつわる現象のほとんどは天文観測によってしか検証されえないことから、重力理論のいっそうの進展が期待される。
(3)20世紀に、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て確固たる観測的基盤をえたビッグ・バン宇宙論は、より初期の宇宙像を求めて展開していくであろう。S・ホーキングらによって展開された量子重力理論や、宇宙の物質の90%以上を占めていると考えられながら、いまだ検出されていない暗黒物質(ダーク・マター)の正体を探る素粒子論は、きわめて困難な課題ではあるが、大きな進展が期待されている。[若松謙一]

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世界大百科事典内の天体物理学の言及

【宇宙物理学】より

…惑星,太陽系,太陽,恒星,銀河,銀河団,さらにそれらの総体としての宇宙までを対象にする。欧米では,宇宙物理学cosmic physicsという言葉はあまり用いられず,むしろ天体物理学astrophysicsが用いられる。この場合,宇宙全体を大局的に論ずる学問分野は,宇宙論cosmologyとして区別される。…

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