〈生(なま)/(き)の芸術〉と訳されるフランス語。画家デュビュッフェによって精神病者・子ども・素人芸術家(部分的には素朴画家も含まれる)らの作品を指すために,1947年ころから用いられた。通常の美術概念の枠外で作り出されるそれらの作品は,無意識の世界から自発的に発生してくるとみられる。デュビュッフェは,みずから収集にあたり,またアール・ブリュットの展覧会を開いたり,協会を作って会報を刊行するなど,その普及にも努めた。彼自身は,このような作品の中に創造の真の源があると考え,制作にあたっても,そこから多くを学んだ。5000点以上に及ぶ収集品は現在スイス,ローザンヌ市が所蔵し,展示されている。
執筆者:千葉 成夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…彼らの作品は美術史の主流とは離れた所でもっぱら個人的に制作されたものだが,そこには絵画の原点,描くことの原点が無自覚のうちにはらまれていたといえる。たとえばJ.デュビュッフェが子どもや精神病者が作り出す芸術,すなわち〈アール・ブリュットArt brut〉(これも広くいえば素朴絵画に分類される)に着目したのも,ひとつにはそのためであった。 代表的な作家は,フランスのH.ルソーは別格として,ボーシャンAndré Bauchant,ボンボアCamille Bombois,ペイロンネDominique‐Paul Peyronnet,セラフィーヌ,イタリアのメテリOrneore Metelli,デ・アンジェリスLuigi de Angelis,オランダのメイエルSalomon Meijer,ファン・ヘンクWillem van Genk,ベルギーのグレッフLéon Greffe,スイスのディートリヒAdolf Dietrich,アメリカのハーシュフィールドMorris Hirshfield,グランマ・モーゼズGrandma Moses,ギリシアのテオフィロスTheophilos,ユーゴスラビアのゲネラリッチIvan Generalič,ロシアのピロスマナシビリNiko Pirosmanashvili(ピロスマニ)など。…
…彼らの作品は美術史の主流とは離れた所でもっぱら個人的に制作されたものだが,そこには絵画の原点,描くことの原点が無自覚のうちにはらまれていたといえる。たとえばJ.デュビュッフェが子どもや精神病者が作り出す芸術,すなわち〈アール・ブリュットArt brut〉(これも広くいえば素朴絵画に分類される)に着目したのも,ひとつにはそのためであった。 代表的な作家は,フランスのH.ルソーは別格として,ボーシャンAndré Bauchant,ボンボアCamille Bombois,ペイロンネDominique‐Paul Peyronnet,セラフィーヌ,イタリアのメテリOrneore Metelli,デ・アンジェリスLuigi de Angelis,オランダのメイエルSalomon Meijer,ファン・ヘンクWillem van Genk,ベルギーのグレッフLéon Greffe,スイスのディートリヒAdolf Dietrich,アメリカのハーシュフィールドMorris Hirshfield,グランマ・モーゼズGrandma Moses,ギリシアのテオフィロスTheophilos,ユーゴスラビアのゲネラリッチIvan Generalič,ロシアのピロスマナシビリNiko Pirosmanashvili(ピロスマニ)など。…
…50年代に入ってアンフォルメルの運動が高まるや,先駆者の一人として評価を受けた。既成の芸術観念を否定し〈アール・ブリュット〉を唱え,子どもや精神病者の素朴な造形に強い関心をいだいて,47年からその種の作品を収集する。みずからは絵具に砂,石灰,アスファルトなどを混ぜて塗りつけることで重厚な肌合いを画面に与える〈オート・パートhautes pates(厚塗り)〉によって,《御婦人の身体》連作(1950‐51),《土と地面》連作(1951‐52)など,画面の質感の物質性が具象的とも抽象的とも呼びかねる一連の作品をつくりだした。…
※「アールブリュット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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