イカリア島(読み)イカリアトウ(その他表記)Ikaría

デジタル大辞泉 「イカリア島」の意味・読み・例文・類語

イカリア‐とう〔‐タウ〕【イカリア島】

IkariaΙκαρίαギリシャ、エーゲ海東部の島。旧称ニカリア島。中心地はアギオスキリコス。ギリシャ神話では、この島の近海ダイダロスの息子イカロスが墜落したとされる。紀元前8世紀頃に植民都市が築かれ、後に僭主ポリュクラトスのサモスに吸収された。中世ジェノバ共和国近代までオスマン帝国支配下にあった。20世紀初めの一時期、イカリア自由国を建国して独立したが、3か月でギリシャに併合された。古くから温泉地として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イカリア島」の意味・わかりやすい解説

イカリア島
いかりあとう
Ikaría

ギリシア南東部、南スポラデス諸島の島。小アジア西岸沖、サモス島南西21キロメートルにある。東西約40キロメートル、南北3~9キロメートル。面積255平方キロメートル、人口約8000。中心町は東岸のアギオス・キリコス。旧称はニカリアNicaria(中世)、カリオトKariot、アキリアAkhigriaであった。山がちな地中海式農業地帯で、おもな産物はぶどう酒と小麦。南岸には古代から知られる硫黄(いおう)鉱泉がある。ギリシア神話では、この近海でイカロスが墜死したという。古代や中世の遺跡が多くある。1913年までトルコ支配下にあった。

[真下とも子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イカリア島」の意味・わかりやすい解説

イカリア島
イカリアとう
Nísos Ikaría

ギリシア,エーゲ海東部の島。サモス島の西南西約 20kmに位置し,南スポラデス諸島に属する。南西-北東方向に延びる細長い山がちな島で,東部南岸に中心集落アイオスキリコスがある。 1913年までオスマン帝国領。主産業は農業で,ブドウイチジク,穀類を栽培。硫黄鉱泉がある。近海でイカロスが墜死したという神話で知られる。面積 255km2。人口約 8000。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android