イソノキ(読み)イソノキ(その他表記)Rhamnus crenata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソノキ」の意味・わかりやすい解説

イソノキ(磯の木)
イソノキ
Rhamnus crenata

クロウメモドキ科の落葉低木。本州,四国,九州,朝鮮半島,中国に分布し,湿地に生える。高さ3~4m。樹皮灰褐色,若枝は初め赤褐色の伏毛におおわれる。葉は有柄で互生し,倒卵状長楕円形で先が急に細まってとがり,長さ6~12cm,幅 2.5~3.5cm,縁に低鋸歯がある。側脈は6~10対。6~7月,枝上部の葉腋に小型の集散花序をつくり,黄緑色の両性花を数個つける。花は径約 5mm,外面に毛があり,萼筒は鐘形,萼裂片は三角形で直立する。果実はほぼ球形で径約 6mm,9~10月頃熟して紅色から紫黒色となる。和名水辺に生えることによるといわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソノキ」の意味・わかりやすい解説

イソノキ
いそのき / 磯木
[学] Frangula crenata (Sieb. et Zucc.) Miq.
Rhamnus crenata Sieb. et Zucc.

クロウメモドキ科(APG分類:クロウメモドキ科)の落葉低木、高さ1.5~3メートルになる。枝は黄褐色で刺(とげ)はない。葉がつねに互生し、若いころ枝や葉の裏面に赤褐色の毛の生えることが特徴。葉は長楕円(ちょうだえん)形で長さ6~12センチメートル、細かい鋸歯(きょし)があり、先端が急にとがる。6~7月、枝上部の葉腋(ようえき)に黄緑色花を開く。クロウメモドキ属の植物と類似しているが、花は5本の雄しべ雌しべがあるなどの特徴があり、別属(イソノキ属)とされる。本州から九州にかけての山野の湿った所に生え、朝鮮、中国にも分布する。

[門田裕一 2019年12月13日]

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百科事典マイペディア 「イソノキ」の意味・わかりやすい解説

イソノキ

クロウメモドキ

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