クロウメモドキ(読み)くろうめもどき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロウメモドキ」の意味・わかりやすい解説

クロウメモドキ
くろうめもどき / 黒梅擬
[学] Rhamnus japonica Maxim. var. decipiens Maxim.

クロウメモドキ科(APG分類:クロウメモドキ科)の落葉低木で変異に富む。枝は灰色、先に短枝が変形した鋭い刺(とげ)がある。葉は広倒卵形、長さ2~8センチメートル。花は黄緑色で、4~5月、当年に出た枝の基部に束状につく。果実は核果で黒く熟す。山地に生え、北海道から九州に分布する。変種エゾノクロウメモドキ(エゾクロウメモドキ)は葉が大きく、裏面の脈の分岐点に毛があるもので、北海道と本州の日本海側に分布する。若葉食用とする。漢方では干した果実を鼠李子(そりし)と称し、下剤とする。クロウメモドキ属は北半球を中心に約100種があり、日本には7種が分布する。同属のクロツバラは刺があってクロウメモドキに似るが、葉が長楕円(ちょうだえん)形で、雌雄異株である。

[門田裕一 2019年12月13日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロウメモドキ」の意味・わかりやすい解説

クロウメモドキ
Rhamnus japonica

クロウメモドキ科の落葉低木。山野に生え日本特産。雌雄異株。多数の枝を出し,短い枝はとげになる。樹皮はなめらかで無毛。葉は広倒卵形ないし狭倒卵形で鈍鋸歯をもち,下部の側脈は長く葉の上部まで達する。6~8月に,葉柄の基部に数個の淡黄緑色の小花が集って咲く。花弁萼片も4枚で,雄花には4本のおしべ雌花には1本のめしべがある。果実は堅くほぼ球形で,熟すると黒色になる。果実のつき方がモチノキ科のウメモドキに似ているのでクロウメモドキと呼ばれる。

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