ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イヌガシ」の意味・わかりやすい解説
イヌガシ(犬樫)
イヌガシ
Neolitsea aciculata
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クスノキ科(APG分類:クスノキ科)の常緑小高木で、樹皮は暗褐色、若枝は緑色。葉は質が薄いが、じょうぶで光沢があり、楕円(だえん)形、鋸歯(きょし)がなく、3本の葉脈が目だつ。花は3~4月、葉腋(ようえき)に固まってつき、紅紫色。雌雄異株。果実は黒紫色に熟す。本州の房総半島以西から九州、沖縄、さらに朝鮮半島、台湾に分布する。名は、カシに似るがカシの仲間ではないことによる。マツラニッケイともいう。なお、シロダモは本種に似るが、秋に黄色の花を開き、翌年の秋に果実が紅(あか)く熟す点で異なる。
[門田裕一 2018年8月21日]
… ウバメガシQ.phillyraeoides A.Gray(イラスト),シリブカガシPasania glabra (Thunb.) Oerstedは同じブナ科でカシの名をもつ常緑樹であるが,系統的には少し異なる。イヌガシNeolitsea aciculata (Bl.) Koidz.もまたカシの名を有するが,クスノキ科の樹木で,材質が劣るのでこの名がついた。【岡本 素治】【新田 あや】。…
…木材は建築,器具,薪炭用とするが特別の用途はない。 シロダモ属Neolitseaには日本にもう1種イヌガシN.aciculata (Bl.) Koidz.が千葉県以南の暖帯に分布し,常緑高木で,花期は早春,果実は秋に黒熟する。【緒方 健】。…
※「イヌガシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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