インターネット用語(読み)いんたーねっとようご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インターネット用語」の意味・わかりやすい解説

インターネット用語
いんたーねっとようご

ここにはインターネットに関するおもな用語を集め掲げた。50音順に配列し、その後ろにアルファベット表記のことばを並べた。

[編集部]


アットマーク
 @。電子メールのアドレスにおいて、ユーザー名とドメインを分ける記号。もともとは会計や経理における単価記号で、「@¥100」とあれば、その品物の単価が100円であることを表す。インターネット用語として使われる「アットマーク」という呼称は和製英語である。言語により呼称は異なり、英語では「アット」とよぶのが一般的。また国によっては「カタツムリ」「猿の尻尾(しっぽ)」「巻き貝」など、記号の形状から連想される呼び名がつく。日本でも「ナルト」という俗称がある。

 JIS(ジス)(日本産業規格)においては、単価記号の場合は規格番号JISX0208(1978年制定)に、コンピュータ用語の「アットマーク」としては規格番号JISX0213(2000年制定)の集合に分類されている。

一時ファイル temporary internet files
 Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)(IE)において、アクセスしたウェブサイトのデータ(HTMLや画像等)を一時的に格納するフォルダおよびそのデータファイルそのものの名称。再度同じページを表示する際の速度向上に使われる。保存する容量は任意に変更でき、大きければその分、過去に閲覧したサイトの多くに快適にアクセスできるが、極度に肥大化するとIEの動作に悪影響を及ぼす場合もあるため、IEには一時ファイルをクリアする機能が付属する。その他のウェブブラウザにも同様の設定・機能がある。

オフラインミーティング
 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など、インターネットを介してつながった人々が実際に会い、集うこと。コンピュータやスマートフォンなどが、ネットワークに接続されていない状態を「オフライン」とよぶことに由来する。インターネット普及以前のパソコン通信の時代から使われている別称に「オフ会」というものもある。

オンライン/オフライン online/offline
 任意の端末またはアプリケーションがインターネットに接続している状態(オンライン)と接続していない状態(オフライン)。ブラウザやその他のアプリケーションの機能としてオフラインモードがある場合、OS(オペレーティングシステム)自体がインターネットに接続した状態でも、インターネットとの接続を遮断した状態でそのアプリケーションを使用できる。

ギャランティ型
 通信を提供するサービスにおいて、最低通信速度や通信品質、安定性などをユーザーに保証するシステム。ギャランティとは英語で「保証」のこと。企業の基幹となる回線や動画配信など、状況に左右されずに一定の帯域を確保する必要がある場合にこのような契約を通信回線提供業者と交わす。安定したサービスを提供するにあたって設備や人員にかかるコストが大幅に増大するため、利用価格は高くなる。一般消費者向けではなく、大規模な企業や組織向けのデータ通信サービスといえる。

サイト site
 インターネット上でウェブページのコンテンツが置かれている場所。ウェブサイトの略。英語で「ウェブ」はクモの巣(ネット、網の形容)、「サイト」は場所、位置、区画の意味である。あるドキュメントに別のドキュメントを参照できるリンク(ハイパーリンク)を埋め込んで相互に移動できるシステム(www、ワールド・ワイド・ウェブ)において、任意のドメイン(組織)名の配下に置かれ、HTMLやxHTMLで記載されたウェブページ群をさす。用語としては「公式サイト」(企業などが運営する自社サイト)や「総合情報サイト」(さまざまな情報を提供するサイト)などのように、前にことばを付けて使うことが多い。

サインアップ sign up
 有償・無償を問わず、利用にあたり登録が必要なサービスにおいて、個人情報を提供して利用契約を申し込むこと。英語で「署名、契約」の意味。インターネットを利用してウェブ上での申し込み手続をすることを、とくにオンラインサインアップということもある。

サインイン/サインアウト sign in/sign out
 コンピュータのOS(オペレーティングシステム)などが立ち上がった状態から、ユーザーアカウントを立ち上げ、コンピュータを使用できる状態にすること(サインイン)と、サインイン状態を終了すること(サインアウト)。サインインはログイン、ログオン、サインアウトはログアウト、ログオフと同じ意味である。転じて、ウェブ上の各種サービスの利用開始、終了にも用いられる語となっている。

なりすまし spoofing
 インターネット上で、本人の承諾なしにその人や企業・団体として活動すること。金品の詐取、本人の評価をおとしめるためなど、その目的には必ずしも実利を伴わないのが特徴である。なんらかの方法でIDやパスワードを盗み出し、インターネットバンキングなどのシステムに侵入して本人としてふるまう場合や、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やブログなどにおいて、本人のIDや本人と誤認されるようなIDを取得し、本人が意図しない書き込みを行う場合などがある。「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」により、IDやパスワードを盗み出して使用する行為は禁じられているが、盗み出しを伴わないケースについては、なんらかの被害が出た段階で、名誉毀損罪などで告訴(刑事)か、名誉毀損に対する損害賠償請求(民事)で、なりすまされた側が自助努力しなければならない。

ノード node
 コンピュータ・ネットワークにおいて、ネットワークどうしの接続点や終端部、およびその箇所で機能する機器。具体的にはサーバー、ルーター、ハブ、クライアント(端末機器)、アクセスポイントをさす。ノードは英語で「節、こぶ、交点」を意味する。また、ノードどうしを結ぶ線をリンクという。

バックボーン backbone
 あるネットワークにおいて、そのネットワークと別のネットワークを結ぶための、より大容量の通信回線。バックボーンは英語で「背骨、基幹、中枢」を意味する。プロバイダーどうしや各国間を結ぶ通信回線をさすことが多いが、相対的な概念である。企業内でのLAN(ラン)ネットワークを接続する回線や携帯電話の基地局を結ぶ通信回線など、任意のネットワークと他のネットワークを結ぶためのより大容量の回線は、すべてバックボーンといえる。

バナー banner
 「タイトルバナー」のように、看板状に使われる画像一般のことをさす。任意のウェブサイトから別のウェブサイトへの移動ボタン(リンク)として使用されることが多い。英語で「垂れ幕、横断幕、旗」を意味する。多くの場合、リンク先のウェブサイトやウェブコンテンツの内容をイメージさせる画像やロゴをデザインして表示する。容量を抑えて早く表示させるためにGIF(ジフ)形式、JPEG(ジェーペグ)、PNG(ピング)形式で作成される。ウェブサイトにおいて、企業広告などのサイトに誘導するバナーをバナー広告といい、クリック数により広告料を算出するものが多い。

プライバシーポリシー privacy policy
 ショッピングサイトなどに代表される、個人情報を取り扱うウェブサイトにおいて、その情報の収集や管理、保護に関する基準や方針を文書にしたもの。個人情報保護方針とよばれることもある。個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)第18条の規定により、サイト運営者など個人情報取扱事業者は、収集した個人情報の利用目的をあらかじめ本人に通知するか、公表しなければならない。

ページビュー page view
 任意のウェブサイト内で、特定のページまたはサイト内の各ページが閲覧された回数。PVと略される。サイトの閲覧頻度を測定するために使用する指標の一つである。

ホスト名
 ネットワークに接続された端末(コンピュータ、サーバー、ネットワークストレージ、通信端末、ルーターなど)に対して、人間が識別しやすいように文字や数字などで付与された名前。かならずしもすべての端末にホスト名が存在するわけではなく、他のコンピュータからの参照を受ける場合でなければホスト名の付与は任意である。

 インターネットにおいて、ホスト名はドメイン名(例:www.xxyy.net)とほぼ同じ意味であり、これをDNSとよばれるサーバーを介して、192.168.xxx.xxxなどのIPアドレスに変換することで通信先が特定される。

マクロ macro
 アプリケーション・ソフトウェアにおいて、作業の自動化、省力化を目的として用意される機能。プログラミングに似たアプリケーション専用の言語が用意され、ユーザーが使用目的にあわせてそれを記述したり、他のユーザーが作成したマクロを導入したりすることで自動化を実現する。通常のプログラミングと異なるのは、マクロがアプリケーションの作成ではなく、特定のアプリケーション内で機能の連続動作を行わせ、作業の効率化を目的としていることである。機能そのものを呼び出すのではなく、もっぱらユーザーの行うキー操作を自動的に行い、結果として機能を連続して動作させる種類のマクロをキーマクロとよぶ。マクロは、さまざまな種類のアプリケーションに実装されているが、とくにテキストエディターに搭載されるものや、マイクロソフトオフィスMicrosoft Office(ワードWordやエクセルExcel)などに搭載されているビジュアルベーシックVisual Basicなどが有名。ただし、コンピュータ・ウイルスのなかには、ユーザーが意図しないマクロを自動実行させるものもあるため、マクロを使用しない環境下では機能を無効にするなどの防衛策も必要である。

マッチングサイト matching site
 商品やサービスを必要とする者と供給できる者との仲立ちをするウェブサイト。物品、サービス、知識、技能などを提供する組織、企業、個人の情報を公開し、それを有償あるいは無償で、利用する側(組織、企業、個人)が検索し、直接、間接的に交渉して必要なものが得られるようにする。ビジネス向け(BtoB)、一般消費者向け(BtoC)、一般消費者間取引き向け(CtoC)など、さまざまな形態がある。ビジネス向けでは商工会議所、日本貿易振興機構などの公的組織が運営するもの、アメリカの企業が運営するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)形式のリンクトインLinkedIn、一般消費者間取引きでは私企業や個人の運営する婚活サイトなど、多種多様である。

メールマガジン
 個人や企業が、定期的な情報提供を目的に運用する、電子メールによる配信システム。MM、メルマガとも略される。原則的には読者による能動的な電子メールアドレスの登録行為を必要とし、読者の興味に沿った内容を送信できるため、情報の伝達効率が高い媒体である。個人が有料で付加価値の高い情報を配信している例も多い。ほかにこうした情報の提供側から積極的に情報を配信するメディア(プッシュ配信)がなかった2000年代前半に、多くの配信業者が登場した。

ラストワンマイル last one mile
 通信サービスにおいて、通信事業者の回線提供拠点から利用者の自宅や事業所までの物理的な通信回線。この回線提供拠点と利用者の自宅や事業所までが1~2キロメートルの距離であることが多いため、英語で「ラストワンマイル」とよばれるようになった。かつては、データ通信ではアナログ回線を経由した通信や、ADSLのようなアナログ通話回線で使用されるメタルケーブルが流用されていたが、通信速度の速い光ファイバー、CATV(ケーブルテレビ)などに置換されるようになった。

リンク link
 ウェブページにおいて、テキストや画像などに埋め込まれた、他のウェブページやファイルなどのネットワーク上の場所を示した情報。本来はハイパーリンクhyperlinkとよばれ、ハイパーテキストシステム(ウェブページもハイパーテキストシステムの一種)において、テキストに埋め込まれた別リソースへ移動できるようにネットワーク上の場所を示した情報をさす。ウェブページの場合、該当する箇所にマウスをポイントすると、下線が引かれたり、矢印だったマウスポインターが手の形に変化したりして、そのテキストの部分にリンクが埋め込まれていることがわかり、そこをクリックすると該当するリソース(ウェブページ、画像、ファイルなど)に移動できる。

IDS
 不正アクセス監視システム/侵入検知システム(Intrusion Detection System)。ネットワーク上を流れるパケットを常時取得、監視、分析し、当該ネットワークへの不正なアクセスの疑いのあるパケットを発見した場合に、ネットワーク管理者へ通知し、ログを保存するシステム。ネットワーク層とトランスポート層のみの通信を監視し防御するファイアーウォールとは異なり、通信パケットをすべてフィルタリングするため、不正なファイルまで検知可能である。ただし、あくまでも不正なアクセスと思われる通信を管理者に通知するにとどまり、即時の防御を行うことはできず、攻撃が行われているかどうかを管理者が判断するためのツールである。これに対し通信遮断などの防御まで自動で行う機能がIPS(Intrusion Prevention System)である。

IP
 インターネットプロトコルinternet protocolの略。LAN(ラン)の範囲を超えて宛先のノード(サーバー、ルーター、端末など)を識別し、接続を確立するための通信手順である。IPアドレスとよばれる世界中で一意のアドレスを使用する。インターネットが登場する前には、かならず中央で制御するホストコンピュータを必要としたノード間の通信が、IPアドレスによって各ノード間で自由に行えるようになった。すなわち「インターネット」を成立させるためのカギとなったプロトコルである。実際には、IPに加えて接続の確立後にノード間で正確にパケット(ひとかたまりのデータ通信)が送受信されているかを確認するTCPとの組み合わせ(TCP/IP)が、インターネット用のプロトコル群として扱われる。

POP3
 ポストオフィスプロトコルpost office protocol version 3の略。受信サーバーに保存された電子メールを、ユーザーが端末にダウンロード(受信)する際に使用される、通信のための手順(プロトコル)。受信サーバーはPOP3サーバーとよばれ、メールソフトや端末のアプリの設定でアドレス(たとえば pop3.xxxx.comなど)を指定する。POP3では端末へのメール受信直後、または一定の期間後に受信サーバーからメールを削除することが前提となっている。また、受信内容は暗号化されないため、通信内容をSSLで暗号化し、受信時の傍受を防止する仕様を加えて使用することも多い。

TCP/IP
 インターネットで標準的に使用される通信プロトコル(手順)であるTCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)を含むさまざまな通信プロトコル群の総称。TCP/IPプロトコルスイートともよばれる。IPはOSI参照モデルのネットワーク層に属し、異なる二つの端末間でのパケット通信を可能にし、TCPはトランスポート層に属し、そのパケット通信のデータの信頼性を確保する。TCP/IPを用いることで、OS(オペレーティングシステム)や端末の仕様の差を乗り越えて世界中の端末とのデータ通信が可能になる。ほとんどの商用および非商用のOSに最初から実装されている。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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