FTP(読み)えふてぃーぴー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「FTP」の意味・わかりやすい解説

FTP
えふてぃーぴー

インターネットなどのネットワーク環境で、ファイルを転送するために使うプロトコル(通信規約)の一つ。File Transfer Protocol(ファイル転送プロトコル)の略。規格内容は、インターネット関連技術の標準化を進める任意団体のIETF(Internet Engineering Task Force)が発行するRFC(Request For Comment)という文書で定められている。

 ネット上にあるFTPサーバーとよばれる専用サーバーと、クライアント側のパソコンの間でのファイルの送受信に使われ、その際には専用のFTPソフトやブラウザーなどを利用する。電子メールのプロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol、メール送信時やサーバー間でのメール転送時に使われる)やPOP(Post Office Protocol、メール受信時に使われる)、HTTPなどと同じようによく利用されている仕組みであるが、FTPはファイル転送を目的としており、大量のデータ一度に扱うことができることから、おもにウェブページを一度にアップロードするときなどに使われている。

 インターネット上に広く公開してデータ(文書や画像フリーウェアなど)を配布する場合に使われる、anonymous FTP(アノニマスFTP)サーバーもある。こちらは一般的なFTPサーバーにアクセスする場合に必要な、専用のIDパスワードなどによる認証が不要で、自由にデータをダウンロードすることができるようになっている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例