XML(読み)えっくすえむえる(英語表記)eXtensible Markup Language

日本大百科全書(ニッポニカ) 「XML」の意味・わかりやすい解説

XML
えっくすえむえる
eXtensible Markup Language

拡張可能マークアップ言語HTMLなどインターネット上でのデータ形式の標準化委員会であるWWWコンソーシアム(W3C)が1998年2月に仕様を公開した。

 これまでネットワークを使ってデータをやりとりする場合、お互いにどのような形式や順番でデータを送信するのかということを決めておかなければならなかった。しかし、これではインターネット時代における不特定多数とのデータ交換に支障をきたす。そこでデータにタグとよばれるデータの意味を付け加え、相手はどのようなタグを自分のデータとしてどのように扱えばよいかを定義するというもの。HTMLで使われるタグはあらかじめ定義されているのに対し、XMLではタグの定義ができる。コンピュータの内部データ形式としてXMLでもつものもあるが、データを送信するときにXML形式に変換して送り出すものもある。

 このXMLというデータ形式を使ってコンピュータ間の通信をすることは重要な要素技術である。2000年12月にマイクロソフト社は「.NET」(ドット・ネット)というXMLを使ったネットワークコンピューティングの構想を発表した。XMLを使ってコンピュータ間が通信できるようになると、一つ仕事複数のコンピュータが協調して処理できるようになったり、一つのコンピュータではできないような処理ができるようになるため、コンピュータを使った処理そのもののあり方を大きく変えてしまう。このようにインターネットを使って複数のコンピュータどうしが通信しあうネットワークサービスを「ウェブ・サービス」といい、ネットワークコンピューティングの中核になっている。XMLを使った同様な構想はサン・マイクロシステムズ社も発表しており、Sun One(サン・ワン)という名称でよんでいる。

[中島由弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「XML」の意味・わかりやすい解説

XML
エックスエムエル

インターネットでの使用に対応したマークアップ言語。extensible markup languageの略。インターネットのワールド・ワイド・ウェブ WWWで使用されていた HTML命令(タグ)を文書中に挿入して文書の構造をつくる言語であるが,その親ともいえる SGMLで可能な自由なタグの定義ができないなどの欠点があった。一方 SGMLはインターネットの使用について考慮されておらず,システムが巨大であり使いにくいという事情もあった。そこで自由なタグ定義など HTMLにない機能を加えたうえで拡張し,さらに SGMLの基本も取り入れ,電子文書の標準形式を決めるものとして 1998年に発表された。XMLから具体的な HTMLの拡張である XHTMLも生まれ,電子商取引などにも大きな影響を与えた。

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