ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インノケンチウス9世」の意味・わかりやすい解説
インノケンチウス9世
インノケンチウスきゅうせい
Innocentius IX
[没]1591.12.30. ローマ
ボローニャ出身の第230代教皇(在位 1591.10.~12.)。本名 Giovanni Antonio Fachinetti。ナポリ王国のニカストロの司教として,1562年のトリエント公会議に出席した。1566年,教皇大使としてベネチアへ派遣された。次いで教皇グレゴリウス13世(在位 1572~85)の命により,プロテスタント教会の教義と戦うローマの宗教裁判所で働いた。1576年,グレゴリウス13世によりエルサレムの総大司教に任命され,1583年に枢機卿(→カーディナル)に叙された。病弱だった教皇グレゴリウス14世(在位 1590~91)のもとであらゆる実務に携わり,その死後,教皇に選出された。一時的な登位と受け止められていたが,実際に 2ヵ月後に死去した。
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