旺文社世界史事典 三訂版 「イヴァン」の解説
イヴァン(4世)
Ivan Ⅳ
モスクワ大公兼全ロシアの皇帝(在位1533〜84)。通称は雷帝(Groznyi)
イヴァン3世の孫。3歳で即位,当初は貴族が支配権を握っていたが,1547年以後親政。公式にツァーリと称し,貴族を弾圧して専制政治(ツァーリズム)を強化。対外進出につとめ,カザン・アストラハン両ハン国を併合してウラルに進出,イェルマークに命じてシベリア経営に着手した。また,内政面では農奴制を再強化し,1581年以降農民の移動を制限した。
イヴァン(3世)
Ivan Ⅲ
他の諸侯国を併合し,国土をほぼ統一したモスクワ大公(在位1462〜1505)
ノヴゴロド公国を攻めて勢力を拡大,キプチャク−ハン国の衰えに乗じて1480年に自立し,専制君主制を確立。最後のビザンツ皇帝の姪と結婚して,ビザンツ帝国の継承者ならびにギリシア正教の保護者と称し,初めてツァーリの称号を用いた。
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