ウェルツェル(英語表記)Hans Welzel

改訂新版 世界大百科事典 「ウェルツェル」の意味・わかりやすい解説

ウェルツェル
Hans Welzel
生没年:1904-77

西ドイツの刑法学者。ボン大学教授。刑法学での目的的行為論finale Handlungslehreの代表的な主張者である。これは,行為を〈目的活動〉とし,行為概念の中核に〈目的性〉をおく行為論であって,既成の犯罪論を再構成しようとする意図をもっている。この理論の重要な帰結は,これまで責任要素とされていた故意(たとえば,人を殺すことの認識・意図)を,行為の本質的要素であるとし,したがって,故意行為と過失行為とは本質的に異なるもので,故意は主観的違法要素であると解する点にある。さらに目的的行為論は,このように故意を責任論から排除することによって,違法性の意識の可能性を,故意から独立した責任要素として把握する見解責任説)を理論的に基礎づけることができると主張するのである。
刑法理論
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェルツェル」の意味・わかりやすい解説

ウェルツェル
Welzel, Hans

[生]1904.3.25. アルテルン
[没]1977.5.5. ボン
ドイツの刑法学者,法哲学者。イェナ大学ハイデルベルク大学で法学と哲学を学び,ケルンゲッティンゲン,ボンの各大学で教職を歴任した。 1966年に来日。人間の行為の目的的性格に注目した目的的行為論によって現代の刑法学の理論構成に大きな影響を与えた。また,『自然法と実質的正義』 Naturrecht und materiale Gerechtigkeit (1951) は実質的価値論に基づいた法哲学の代表的文献として名高い。主著『ドイツ刑法』 Das Deutsche Strafrecht in seinen Grundzügen (47) 。

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367日誕生日大事典 「ウェルツェル」の解説

ウェルツェル

生年月日:1904年3月25日
西ドイツの刑法学者,法哲学者
1977年没

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